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Fate/ONLINE
第五話 黒猫団と…
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女から何も聞かされていない。
一度、どのような偉業を成し遂げてサーヴァントとなったのか彼女に聞いてみたことがある。
だが、

『申し訳ありません――本来最初に自らの真名を明かすものなのですが、貴方はマスターとしてはまだ未熟…精神的防御もままならないと思います。敵に誤って真名を明かされると此方に大きなハンデがついてしまいます。ですので貴方には真名を知らせずにおきたい。どうかこの無礼をお許しください』

そう言われ断られてしまった。
確かに英雄だったころの名前が知れてしまえば、相手に大きなアドバンテージを与えることになる。
この提案に俺は同意し、しばらくは彼女の真名を知らずに聖杯戦争に参加することにした。

だが、彼女の見せる礼儀正しい態度と戦いの時の身のこなしを見ると、彼女がいかに偉大で素晴らしい騎士の英雄だったのか分かる。

「俺もちょっと残りのポーションが心許なくて……よかったら、出口まで一緒に行きませんか」

俺はセイバーと少女が声を掛け合っているのを横眼に見ながら彼らにそう問いかけた。

「心配してくれて、どうもありがとう。それじゃ、お言葉に甘えて、出口まで護衛頼んでもいいですか」

リーダーらしき男は顔を大きくほころばせて頷いた。
これが俺たちと月夜の黒猫団によるファーストコンタクト。
そして俺が黒猫団に入る切っ掛けとなった出来事だった。

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「よかったら、うちに入ってくれないか」

黒猫団のリーダー、ケイタは俺にそう問いかけてきた。

俺たちはあの後、迷宮区から脱出し主街区の酒場で一杯やることになった。
そこで自己紹介を終えると、黒猫団のみんなは俺とセイバーにいろんな質問を投げかけてきた。
その見えない武器は何なのか、パーティを組んでいるのか、もしかして恋人同士なのか。などと、他愛もない会話を交わしていた。
俺はそれらの質問にサーヴァントという存在をあまり表沙汰にせず、なおかつ自分の本当のレベルを明かさないように気を使いながら談笑を続けた。

そして談笑を続けるうちにケイタは俺にギルドへの勧誘をしたのだ。

「ほら、僕ら、レベル的にはさっきのダンジョンくらいなら充分狩れるはずなんだよ。ただ、スキル構成がさ……君ももう分かってると思うけどさ、前衛できるのはテツオだけでさ。どうしても回復がおっつかなくて、戦ってるうちにジリ貧になっちゃうんだよね。キリトやセイバーさんが入ってくれればかなり楽になるし、それに……おーい、サチ、ちょっと来てよ」

ケイタが呼んだのは、あの黒髪の槍使いの少女だった。サチという名らしい彼女はワイングラスを持ったままケイタの隣に並んだ。

「こいつ、メインスキルは両手長槍なんだけど、もう一人と比べ
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