第三章
[8]前話
七回繰り返し海神は彼が持っている一番豪奢な服を着たが使者はこれまた同じ服だった、オロクンはその使者を見て苦い顔で話した。
「もういい」
「といいますと」
「余の負けだ、使者のそなたが余と同じ服を常に持っているなら」
それならとカメレオンに話すのだった。
「もうだ」
「我が主はですね」
「それ以上の服を持っている」
「そのことは間違いないですね」
「だからだ」
そう考えられるからだというのだ。
「もうな」
「勝負はですか」
「余の負けだ」
このことを自ら言った。
「この世で第一の神はだ」
「我が主ですね」
「そのことを認める、創造神に伝えよ」
「わかりました」
カメレオンは恭しく応えた、そしてだった。
彼は項垂れる海神と彼の周りの者達に一礼してから創造神の下に戻りことの次第を話した、そうするとだった。
創造神は笑ってだ、彼に話した。
「それこそがな」
「創造神の狙いでしたね」
「そなたはカメレオンだからな」
「どんな色にもなれまして」
「服もな」
「即座に変えられます」
「そうだ、だからだ」
カメレオンがそうした者だからだというのだ。
「そなたを送ってだ」
「オロクン様を負かしたのですね」
「そうした、これでだ」
まさにというのだ。
「オロクンは余の次の神となった」
「第一の神ではなく」
「これでいい、ではな」
「はい、これからはですね」
「そのオロクンと共にだ」
第二の神となった彼と、というのだ。
「ことを進めていこう」
「そうされますか」
「勝負は終わった、ならだ」
「その後はですね」
「和解してな、そしてな」
そのうえでというのだ。
「共にだ」
「この世を治めていかれますか」
「そうする」
こう言って今度は自分からオロクンを和解の宴に招いてだった。
そこで共に酒を飲み馳走を食べて和解した、それからは共に世界を治めていった。ナイジェリアのヨルバ族に伝わる神話である。
オロクンの服 完
2023・10・11
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