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オリエンタル超特急
第一章

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                オリエンタル超特急
 西武ライオンズに台湾から郭泰源という助っ人が来た、一五五キロを超える快速球を投げると言う前評判だったが。
 何と評判以上だった、実際の郭を見て誰もが驚いた。
「何っ、速いだけじゃないぞ」
「とんでもないコントロールだ」
「高速スライダーのキレが抜群だ」
「そこにシュートもある」
「とんでもないピッチャーだ」
「まるでサイボーグだ」
 郭を見て言うのだった、そしてだった。
 ある者が彼を見てからこんなことを言った。
「台湾にはあんなのがゴロゴロいるのか」
「郭みたいな奴がか」
「あんな凄いのは他にもいるのか」
「それも大勢」
「そうなのか」
「あいつは確かに凄いけれどな」
 郭はというのだ。
「あんなのが出て来るってことはな」
「他の奴も凄いか」
「凄い奴一杯いるか」
「そうなんだな」
「ああ、そうじゃないのか」 
 こんなことを言うのだった、そしてだった。
 台湾野球について恐ろしいものを感じていた、だが西武のフロントを取り仕切る根本睦夫はその話を耳にしてだった。
 監督の森祇晶に共に食事を摂る中で笑って話した。
「郭を見てあんなのが台湾にゴロゴロいるかって言う人がいるらしいな」
「えっ、郭みたいなのがですか」
 森はその話を聞いて思わず手を止めた。
「それは流石に」
「ないな」
「ないですよ」
「郭は別格だよ」
「はい、台湾でも」
 それこそというのだ。
「そうです、あまりにも凄いからですよね」
「俺も行けると思ってな」
「獲得されましたね」
「そうしたよ」
 根本もまさにと答えた。
「俺もな」
「台湾球界であまりにも凄いので」
「そうだよ、あちらでピカイチだった」
 まさにというのだ。
「あちらで他のピッチャーと比べてもな」
「あまりにも凄くて」
「これはいけると思ってな」
「獲得しましたね」
「そうだよ、むしろな」
 根本はさらに言った。
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