第三章
[8]前話
「こうなっては仕方がない」
「左様ですね」
「それではですね」
「この度は」
「これで終わりだ」
憮然としながらもこの言葉を出した、そしてだった。
彼はメについて動かなかった、そしてイシュタルはというと。
そのメの力も使ってだった。
「ウルクはよくなりました」
「これまでよりも」
「シュメールの第一の街となりました」
「そうまでなりました」
「ええ、上手くいったわ」
その様子を見て笑顔で言った、ここでは明るい笑顔だった。
「本当にね」
「左様ですね」
「エア様を酔わせてそこでお願いして手に入れるとは」
「お見事です」
「実に」
「私は私をわかっているわ」
イシュタルは笑って話した、ここでもそうした。
「美しいことをね」
「そしてその美貌をですね」
「用いられてエア様とあちらの方々を魅了され」
「宴を開かせ酔わせる」
「そしておねだりをされて手に入れられましたね」
「そうよ、アヌ神は知恵の神だけれど」
それでもというのだった。
「色香にはよ」
「敵わないですね」
「さしもの知恵の神も」
「そして酔えば尚更ですね」
「どうにもならないですね」
「そうよ、ただこのお礼はするわ」
メを手に言うのだった。
「アヌ神と仕えている従神達をこちらに呼んで」
「そうしてですね」
「宴を開かれますね」
「そうされますね」
「そうするわ」
こう言って実際にエアと彼の従神を呼んで和解と感謝それにいささかの謝罪を込めた宴を開いてことを収めた、エアもこうなっては何も言えず。
「知恵の神がしてやらられた」
「そう言われますね」
「全くだ、だがな」
「はい、今宵はですね」
「そなたのもてなし受けよう」
「喜んで」
イシュタルはにこりと笑って応えた、エアもその笑顔に魅了されてこれでいいとなった。そして女神と共に酒を飲むのだった。
イシュタルの知恵 完
2023・12・15
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