第二章
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そのうえでイシュタルを客として宴を開いた、すると。
女神は明るい笑顔でだ、エアにも彼の従神達に言った。
「今日は飲みたくて来ました」
「そうなのか」
「皆さんと共に」
隣の席のエアに話した。
「そうですから」
「今日はか」
「これからどんどん飲みましょう」
自ら杯を手に言った。
「それこそ浴びる様に」
「それで来たのか、ではな」
「皆さんと一緒に飲ませてもりあます」
こう言ってだった。
イシュタルは自ら飲みエアも彼の従神達もだった。
馳走を肴に酒を飲んでいった、美しい女神の笑顔と飲もうという言葉を受けて彼等は文字通り酒を浴びる様に飲んだ。
そしてだった。
イシュタルはその場にいる全員が酩酊になったところでエアに囁いた。
「お願いがありますが」
「何だ?」
「実は私欲しいものがありまして」
そっと彼に顔を近寄せて囁くのだった。
「いいでしょうか」
「ああ、何でも言ってみるのだ」
エアは酒で気が大きくなっていた、しかも。
美の女神に囁かれ気をよくしていた、それでこう言ったのだった。
「欲しいものをな」
「メを欲しいのですが」
イシュタルはここぞとばかりに言った。
「いいでしょうか」
「ああ、メか」
「はい」
まさにというのだった。
「そちらを。いいでしょうか」
「いいぞ」
エアは泥酔した状態で答えた。
「それではな」
「では頂きます、皆さんもそれでいいですね」
ここでイシュタルは従神達も証人にした。
「その様に」
「はい、イシュタル様が言われるなら」
「是非共」
「その様に」
彼等も酩酊して頷いた、こうしてだった。
イシュタルはメを譲り受けるとそのままエア達にさらに飲む様に言ってだった。
彼等を酔い潰しそうしてメを持って自身の宮殿に戻った、エアも従神達も起きて二日酔いを何とか解消してからだった。彼等ははっとした。
「しまった」
「は、はいメをです」
「メをイシュタル様に譲ってしまいました」
「エア様のお力を高めるそれを」
「そうしてしまいました」
「これはいかん、しかし」
エアは従神達に言った。
「もう譲ってしまった」
「それならですね」
「もう取り返すことはしませんね」
「一旦そうしたなら」
「神は一度した約束を破ってはならない」
苦々しい顔だが毅然として言った。
「何があってもな」
「左様ですね」
「そうしてはなりませんね」
「絶対に」
「そうしないとならないですね」
「そうだ、だからだ」
それ故にというのだ。
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