第二章
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「それではな」
「私の考えを聞いてくれますか」
「嘘を言っている目ではない」
マリンチェのその目を見ての言葉だ。
「だからな」
「それで、ですか」
「信じる、ではな」
「その様にですね」
「動こう」
こう言ってだった。
コルテスはマリンチェの言葉を聞きつつ戦いそして治めていった、そうしていきアステカ王国の首都テノチティトランにも着いたが。
ここでもだ、マリンチェはコルテスに言った。
「アステカは生贄の国ですね」
「そうだな」
コルテスはキリスト教の倫理観から顔を顰めさせて答えた。
「もっての他だ」
「ですが油断しますと」
「我々も捕虜になってか」
「生贄にされます」
「だから気をつけることだな」
「はい、そして」
マリンチェはさらに話した。
「今年は一の葦の年です」
「アステカの暦のだな」
「そしてコルテス様は白いお肌でお髭が長いです」
「それがどうかしたのか」
「これはこの年に戻って来ると言われている神の姿なのです」
「アステカの神か」
「ケツアルコアトルの」
この神のというのだ。
「姿なので」
「相手は私を神と思うか」
「それでまずは畏まり崇拝しますので」
「そこで流れを掴むか」
「そうされて下さい、先んずればですね」
「ことを為せる」
「そして馬に乗れば」
このことも話した。
「こちらには馬がなく」
「何かに乗ることもないな」
「生きものに。アステカの人達はこのことにも驚きますので」
「何かあってもか」
「馬に乗られて下さい」
「戦いでもだな」
「高い場所から攻められて」
馬に乗ればというのだ。
「速くなりますし突進の効果もあるので」
「戦いになればだな」
「敵を驚かせそうしたこともお使い下さい」
「わかった、そうする」
コルテスはこの時もマリンチェの言う通りにした、すると彼は僅かな者達でアステカ王国を倒してだった。
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