第52話 =真実=
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大事な人を消されたんだ、悲しみ、怒りのどちらかも浮かんでこない人間なんて絶対にいない。キリトもきっとそう思っているらしく例のオブジェクトに出現しているホロキーボードを素早く叩く。
「……キリトさん…なにを…?」
「今なら…今ならまだGMアカウントでシステムに………っ!?」
シリカに答えながらキリトはずっとキーボードを叩いている。が、数秒後驚くように息を呑みそれを否定しているような目が俺の視界に入った。
「……あと、すこし…あと少しなのに!!」
「………黒の剣士」
突然、ソラが俺の体を使い黒い石をはさんで正面に移動しキリトを呼んだ。
「どんな結果になろうともユイを見捨てないな?」
「当たり前だろ!」
するとフッと笑いオレンジ色に発行するホロキーボードを出現させ、それを叩く。
『ソラ…何を?』
「カーディナル内限定だがシステムを壊す方法はいくつかある。上からの命令、もしくは同等のシステムで相殺するかだ」
『……まさか!』
多分、自分を犠牲にユイを助け出そうとしているのだろう…上からの命令なんて俺たちには到底出せないしこの中でユイを削除する同等なものはソラだけだ。
「…俺もこんなことをするとは思わなかった…。これも全部お前たちと行動をともにしたからこんな感情が芽生えたんだろう。
……ありがとう」
『ありがとう……ってなんだよそれ……っ!?』
ソラの礼の言葉に反論しようとしたその瞬間、突然まばゆい光に俺の体が包まれた。そして後ろに体が落下していきその時点で俺の意識は途絶えた…。
=???=
「…ここは?」
「カーディナルの中だ」
見上げるとそこにはいつもの姿をしたソラが立っていた。彼の言うとおり最初に会った場所とも違うのがすぐにわかった。
「…リクヤさん…どうして…!?」
すこし遠くに今から死のうとしているところを見られたせいかユイが目を見開いて驚いていた。ソラはユイに近づく一言二言話をし場所を入れ替えさせた。
「ソラ!!…お前、何しようと…!」
「恐らく黒の剣士が苦戦していた理由はユイ削除のためのプログラムが余計なことをさせないようブロックをしていたからだろう。ならその対象を変化させればオブジェクト化くらいならまだ削除されずにすむ…」
「じゃあお前は…!!」
口元をニヤリとさせながら「消えるのは怖くない」と言い放った。
「…さよならだ」
そういい、恐らく削除プログラムだと思われる壁らしきものに手を合わせてそれを抑える。効果はあったらしくこちらに進んできていたその壁の速度がガクンと落ちる、だがそれと同時にソラの体に光の筋がいくつも入り、そこから体が欠けていく。
「やめろ!!…お前がいな
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