第52話 =真実=
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のようにモニターしていると他のプレイヤーとは大きく異なるメンタルパラメータを持つ人たちに気づきました。その脳波パターンは今まで採取したことの無いものでした…。喜び、安らぎ…でもそれだけじゃない、この感情はなんだろう、そう思ってわたしはその方たちのモニターを続けました。会話や行動に触れるたびわたしの中に不思議な欲求が生まれました。そんなルーチンは無かったはずなのですが…あの方たちのそばに行きたい、わたしと話をしてほしい……。少しでもそばにいたくて…わたしは毎日みなさんの暮らすプレイヤーホームから一番近いシステムコンソールで実体化しさまよいました…」
「それが…22層で出回ってるって言った幽霊……?」
シリカの問いにユイはあいまいだが首を縦に振りそれを肯定した。
「恐らくですが…キリトさん、アスナさん…わたし、ずっと、お二人に……会いたかった……森の中で、お二人の姿を初めてみた時……すごく、嬉しかった……。おかしいですよね、そんなこと、思えるわけ無いのに……。わたし、ただのプログラムなのに…」
その言葉を聴いたとき俺はいきなりソラに交代しろとほぼ命令口調でいい無理やり交代し自分の気持ちをユイにぶつける。
「ただのプログラムなんかじゃない!!」
「…えっ…?」
「お前がただのプログラムだったら…短かったけどあの楽しかった2日間はどうなるんだ!…全部偽物ってか…!?ふざけるな!!もしその気持ちが偽物なら今さっきの戦い、お前は俺を守る必要なんて無かっただろ!」
仮にユイがその偽物の気持ちを持っていたとしよう。そうだったらシステムコンソールに近づくプレイヤーを守る必要は絶対に無いしもっと言えば涙を流さずに淡々と今、言われたことを話せばいい。でも今実際にユイはユイの意志で俺を助けてくれたしこうして涙を流しながら辛いことを話してくれている。
「もう自分を偽物だなんて言わないでくれよ…!ユイはユイなんだよ…!」
「…リクヤの言うとおり。システムだろうがなんだろうがユイちゃんはあたしたちの妹にあることは変わりないでしょ」
リズも同意し、引き続いていってくれた。どんな状況だろうとユイが俺たちを兄、姉、父、母と認めてくれたことには変わりないし変わらせるつもりも毛頭ない。
「…ユイちゃん、今あなたが感じてる思いを私達に言ってみて?」
「わたしは……」
そううつむき…少々の間沈黙した。
「わたしは……にぃや、ねぇ…パパとママとずっと一緒にいたい!!」
「ユイちゃん…!ずっと…ずっと一緒だよ…!」
アスナはユイの言葉を聴いた瞬間、娘に駆け寄りその小さな体をぎゅっと抱きしめる。そして少し遅れて夫のキリトもアスナとユイ、両名を包み込むように抱きしめる。とてもいい、本当の家族の形がここにはあっ
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