第一章
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母を許した日
高野久美子、旧姓中林久美子は夫の実家の人達とはとても仲がいい、主婦として非常に優しくかつ常識を知った人としてだ。
それで娘の明星自分の子供の頃そっくりの彼女にも懐かれているが娘の学校の生成についてはいつもこう言っていた。
「平均点八十点だからね」
「言うことはないんだ」
「ええ」
サラリーマの夫の友樹、細面で眼鏡をかけた小さい優しい目と薄い唇を持ち黒髪を右で分けてやや後ろに撫で付けている一七一位の背の痩せた彼に答えた。
「普段からよく勉強してるし」
「八十点以上だとだね」
「もうね」
それだけの成績ならというのだ。
「本当にね」
「言うことはないんだね」
「全くね」
それこそというのだ。
「ないわ、あなたもでしょ」
「うん、優しくて真面目で穏やかだしね」
夫は妻に娘の性格から話して答えた。
「だからね」
「そうでしょ、もうね」
夫に笑顔で話した。
「躾や教育をしても叱ることはね」
「しないね」
「食べものの好き嫌いは少し激しいけれど」
「そこをなおす位ね」
「そうよ、私は全教科満点じゃないと駄目とか」
母のことを思い出して答えた。
「絶対にね」
「言わないんだ」
「ええ」
絶対にというのだ。
「言わないわ」
「そうなんだね」
「言うことはね」
それはというと。
「あんまりにも悪いか」
「成績が」
「それと悪いことした時よ、食べものの好き嫌いはね」
これはというと。
「少しずつね」
「なおしていくね」
「私もお料理で工夫してね」
そうしてというのだ。
「やっていくわ」
「そうしていくね」
「あの娘にはね」
夫に真剣な顔で話した、そしてだった。
娘を言った通りに育てていった、娘の成績は平均点は八十点以上のままで性格もよくすくすくと育っていった。
食べものの好き嫌いも少しずつだが治っていった、だが。
ある日だ、娘は母に言ってきた。
「お母さんお父さんの実家にはよく一緒に帰って仲よくしてるわね」
「皆いい人達だからね」
笑顔でだ、母は娘に答えた。
「そうしているわ」
「けれどお母さんの実家に帰ってないわよね」
こう母に言うのだった。
「私も連れて帰ってないし」
「前から思ってたよ、お父さんも」
夫も言ってきた。
「お母さん実はね」
「実は?」
「結婚する時もお父さんの実家には来てくれて」
「お祖父ちゃんお祖母ちゃんともなのね」
「叔父さん叔母さんともだよ」
娘に自分の弟や妹のことも話した。
「会ってすぐに仲よくなったよ」
「そうだったのね」
「それでいつもね」
「お父さんの親戚の人達と仲いいわね」
「うん、けれど」
「お母さんの方には
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