第三部 1979年
孤独な戦い
匪賊狩り その4
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、
「お前たち、下がっていいぞ」
部下たちにその場から引き下がるように命じた。
傭兵たちが引き上げて、間もなく、
「このマッドマイク、木原博士の冒険心に敬意を表し、一対一の決闘を申し込む」
そういうと、SASの汎用ナイフを黒革製の鞘から抜き掃った。
マサキは、KA-BARナイフを、横に差した革製の鞘からゆっくりと取り出す。
黒染加工のされた、米国製の、1095炭素鋼で鍛えられた、片刃の短剣。
それは、世界大戦の折、米海兵隊が日本兵との格闘戦用に作った物であった。
「部下は全て帰した。私一人だ……さあ、どこからでもかかって来い!」
マサキは、すでにマッドマイクの剣の前に、その運命をさらしていた。
男が、ナイフの鞘を払った瞬間に、マサキはもう自分の運命がわかったような気がして、体がさっと冷たくなった。
「いくぞ!」
さっと、形相を変えるやいな、男は、マサキに躍りかかった。
マサキは、受け太刀ぎみに、だだだと、踏み退がる。
「いつまで、俺の剣から逃げられるかな」
と云いながら、男は、マサキのまわりを走り歩いた。
剣を数回、打ち合わせ、激しい格闘が、なお続いた。
ガキン!
火花とともに鳴り響く鋭い剣の音。
白銀も、負けじと、軍刀をびゅッと低く薙いでいたのである。
しかし、一筋の白い閃光は、いずれも空を打ッてしまい、およそ予想もしなかった姿態を描いて勢いよく泳いでいた。
そして、その体勢をまだ持ち直さぬ間に、
「小童、洒落た真似を」
マッドマイクの嘲笑う声がどこかで耳を打った。
「なにをッ」
マサキは身を翻かえすのに、早かった。
しかし短剣を一つな奮迅も、男がビシッと構えた短剣の前は、どうしても踏み込めなかった。
側面を窺う白銀にしても、おなじである。
いや二人を併せた力よりも格段に、マッドマイク、一人の方が強かったということに尽きている。
決して一瞬の仮借もするのではなかった。
10歩下がれば10歩迫り、身をかわせば、寄ってくる。
男が持つ短剣の閃光は、風の如く、マサキの身ひとつにつめよる。
耐えきれなくなった白銀は、手に白刃を提げながら狼狽し始めた。
「博士、どいてください。
邪魔で、そいつを斬ることができません」
マサキは、男が白銀に一瞬気を向けた瞬間を計って、飛び込んだ。
飛び込んだと思うと、マサキの短剣が、白銀の軍刀をまたず、男の脾腹を突き通していた。
ぱあと鮮血がほとばしり、マサキの顔に、煙の様に降りかかった。
一面の鮮血を見ても、マサキは案外、平然としていた。
気が弱いように見えて、一面、残忍酷薄な性質も、そのどこかには持っているらしい。
白銀には、そのようなマサキの
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