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渦巻く滄海 紅き空 【下】
八十一 決壊
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する毒、つまりは神経毒がシャボン玉に含まれていたということだ。
ならば怪しいのはシャボン玉を弾いた時に舞った粉のようなモノ。

(…七尾の鱗粉か…!)


光の波長による、分光に由来する発色現象から、光が干渉するシャボン玉。
表面に凹凸があり、光が当たると乱反射して虹色に輝く鱗粉。

どちらもそれ自体には色がついていないが、構造色によって色づいて見え、虹色に輝く。
よって鱗粉入りシャボン玉かどうか判断がつかないのだ。



シャボン玉を弾けば、中に入っていた鱗粉が舞い上がり、身体を麻痺させる。
【神羅天征】は物理攻撃も忍術も弾き返すが、空中に散布された粉までは弾けない。つまりシャボン玉を弾けば弾くだけ己の首を絞める結果になる。

ならばシャボン玉を弾かなければいいと思うだろうが、ウタカタの合図で勝手に弾けるソレをそのまま放置しては相手の手のひらで泳がされるのがオチだ。
更にシャボン玉の中に入っているのは鱗粉だけではない。

鱗粉入りシャボン玉を弾いた途端、ジュッ、と音がしたと思ったら、皮膚が爛れていた。
酸が含まれているシャボン玉が紛れているのである。


まったくもって厄介だ。
しかしそう時間をかけてはいられない。
早く里を壊滅させ、波風ナルを焙りだし、九尾を手に入れた後にしなければならないことがある。

あまり気は進まないが、ナルトへ事の真偽を確かめなければならない。
ならば多少強引にでも終わらせなければ。

鱗粉入りシャボン玉。時には酸入りのシャボン玉もあるので、弾いた瞬間に酸が飛び散り、ペインの皮膚を溶かす。


無表情で痺れを切らしたペイン天道は前を向く。
六尾の人柱力──ウタカタと七尾の人柱力―フウ、そして背後に広がる木ノ葉の里を視界におさめ、天道は冷徹に双眸の輪廻眼を細めた。



木ノ葉の里ごと消えるがいい。
仮にも尾獣の人柱力だ。この技を喰らっても絶命することはない。

そう踏んでペインは宣言する。
もっともそこに木ノ葉の里に住まう人々や忍びに対する配慮は微塵もなかったが。


「ここより世界に痛みを」























「…つまらんのう」

足を石にされ、マグマの海で囲まれ、それでも猶、平然としているペイン畜生道。
【水牢の術】の水の牢屋に囚われても、依然として無表情のままのペイン人間道。

一向に焦る様子を微塵も見せない双方に、釈然としない。
そう思いつつも、功労者である三尾の人柱力のやぐらも四尾の人柱力の老紫も警戒を怠っていなかった。

そう、微塵も油断していなかった。
それなのに。


「──“口寄せの術”」

突如、何もない空間に手をつい
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