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渦巻く滄海 紅き空 【下】
八十一 決壊
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「あのふたりの忍びは何者だ!?」


火影邸の屋根上から空を仰ぐ。

木ノ葉の里の上空。
そこではペインの他に、見知らぬ人間がふたり、空中戦を繰り広げていた。

木ノ葉の里を襲撃した『暁』のペイン。
僅かの対話を試みたものの、結局相手の意を汲むことはできなかった。

やはり所詮テロリストなのだ、と決めつけたところで、綱手の脳裏に白フードの人物の姿が過ぎる。
“己だけが正しいと思い上がるな”という謎の存在からの忠告が綱手の耳朶を打ち、思考を鈍らせた。

だが今考えるべきはそこじゃない。
とにかく今まさにペインと戦闘している忍びの正体を突き止めねばならない。

思考を切り替えて、五代目火影は鋭く「ペインと戦っている忍び達は誰だ?」と改めて周囲に問い質した。


「わ、わかりません」
「ですが“暁”を名乗る集団だと」

戸惑い気味の暗部達の曖昧な返答に、綱手は「…なに?」と眉を顰める。


襲撃してきた『暁』がペインなのは間違いない。それならば、内部分裂でもしたのか、それとも同じ名を騙る輩か。
けれど、未だ生死がハッキリしないものの、あの自来也を瀕死に追い込んだペインと互角にやりあえるほどの実力があるのは不自然だ。


再び空を仰ぐ。
木ノ葉の里の上空。
そこで戦闘を繰り広げるのはペインを含め、三人。

明確にはわからないが、緑髪の少女と、水色の着物を身に着けた男。
いずれもペインを相手に引けを取らない実力の持ち主だが、里では見覚えのない人物だ。


じりじりと中天にかかる日輪が、綱手の逸る気持ちを更に掻き立てる。
蒼穹の空で繰り広げられる空中戦を、五代目火影は険しい表情で睨んだ。



「いったい何者なんだ…」
















(六尾と七尾の人柱力…)

一方、綱手と違って、自分と対峙する水色の着物の男と緑髪の少女の正体を把握しているペイン天道は宙に浮きながら、無表情の裏で思案していた。

(双方とも遠距離タイプだ。引き寄せて接近戦に持ち込めばイケるか)


だが、そう考えあぐねている間に自身を取り巻く存在に気づいてペイン天道は反射的に術で弾く。
シャボン玉。
六尾の人柱力であるウタカタが操るソレを悉く弾いてみせたが、それは悪手だった。

シャボン玉を弾いた傍からブワリ、と中から粉のようなモノが舞い上がる。
何事かと身構えるも特に何も起こらないことを訝しく思った直後、身体全体が痺れたように動きがぎこちなくなる。


(毒…!?こんなもの…いや、コレは、)

死人であるペインに毒など効かない。だが急速に身体が痺れを訴えている。
神経細胞に作用
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