八十一 決壊
[1/6]
[8]前話 前書き [1]次 最後 [2]次話
突如、木ノ葉の里に現れた巨大な獣の数々。
何れも特殊な能力を持ち、且つ、巨体を活かして建築物を圧し潰す口寄せ動物の猛攻に、木ノ葉の忍び達は防戦一方だった。
しかし、巨大な獣と言えど巨体の口寄せ動物と言えど──。
「足場を失えば問題なかろう…!!」
ガハハハッ、と四尾の人柱力の老紫は赤い髭の下で豪快に哄笑する。
血継限界【熔遁忍術】の使い手である老人は、様々な口寄せ動物を使役するペイン六道のひとり──畜生道を相手にまったく引けを取らない。
むしろ、まるで赤子の手をひねるように力量差を見せる老紫に、防戦一方だった木ノ葉の忍び達は口をあんぐりさせていた。
「な、何者だ…あの爺さん」
万物をも融かし尽くす溶岩の奔流。
それを操ることによって、口寄せ動物の足場を無くす。
老紫のおかげで危ない所を助かった木ノ葉の忍び達は加勢しようとするものの、逆に足手纏いにしかならないと早々に理解した。
何故なら──。
「ふむ。おまえは戦闘向きではないな。どちらかと言えば諜報と口封じ。違うか?」
「………」
鉤爪と緑色の花が付いた棍棒で敵の攻撃を軽くあしらいながら、ペイン人間道と渡り合う三尾の人柱力である橘やぐら。
無言で頭を掴もうとするその手を避け、やぐらは棍棒で斜めに斬り込む。
見事な棒術で相手の動きを抑え込むその動きは無駄がなく、木ノ葉の忍びは介入する余地などなかった。
「おい、小僧!水だ!ぶちかませ…!」
「誰が小僧だ!」
こちとら元・水影だぞ、とブツブツ文句を呟きながら、やぐらは印を結ぶ。
ペイン人間道を棍棒であしらいながら老紫の意図を正しく汲み取って術を発動させるその様は、元・水影と言い張るのも納得の、ただの忍びにはできない芸当だった。
「【水遁・大瀑布の術】!」
舞い上がった大量の水が一気に滝の如く注がれる。それは老紫が操る溶岩流へ一気に落下した。
立ち上る凄まじい水蒸気。
もはや霧と言っても過言ではない水蒸気が晴れた頃には──。
「これで動けまい。【口寄せの術】も使えまい」
【口寄せの術】とは基本的に、噛むなどして指から出血させ、印を結び、その血を地面や壁に押し付けることで術式が展開されて術が発動する。
前以て術式が刻まれていれば話は別だが、畜生道を見る限り、その場その場で地面に手を置いて術を発動している様子。
だからこそ、手を置けないように血継限界【熔遁忍術】で地表を溶岩で満たした。
更に【水遁・大瀑布の術】でやぐらが大量の水を降り注げば、召喚主を始め、厄介な口寄せ動物達の両足が石像と化す。
急速に冷却された溶岩は火山岩になる。
大量の水で急激に冷えたことにより、両足が火山岩で固まったのだ。
もっとも普通は
[8]前話 前書き [1]次 最後 [2]次話
※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりを挿む
[7]小説案内ページ
[0]目次に戻る
TOPに戻る
暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ
2024 肥前のポチ