第13話
[1/12]
[8]前話 [1]次 最後 [2]次話
アイーダの後を追ったヴァン達は時折襲い掛かってくる魔獣達を撃破しながら高台に到着した。
〜クレイユ村郊外・丘陵地帯・高台〜
「……ぁ……」
「こ、これって……」
高台に到着して目にした光景――――――石柱にワイヤーで拘束されて暴れているアイゼンシルトの猟兵達を目にしたフェリは呆けた声を出し、アニエスは不安そうな表情で呟いた。
「……アイーダさん……どうして……」
「……”その者達はそちらの女性も含めて、先程村で戦った軍用魔獣と同じ――――――つまり、屍鬼です。”」
ガソリンが入ったタンクで何かの準備をしているアイーダに悲痛そうな表情で声をかけるフェリにメイヴィスレインがアイーダ達を厳しい表情で睨みながら説明し
「ハハ……まさか”天使”までいるとはね。さすが”今のアタシ達の天敵”だけあって、今のアタシ達の状態についてもお見通しだったようだね。――――――そちらの天使の言う通り、今のあたし達は命も意志もなく、蠢き続けるだけの存在……猟兵なんてヤクザな稼業の報いとは思いたくないが……」
背後に視線を向けてヴァン達と共にいるメイヴィスレインを確認したアイーダは苦笑しながら呟いた後ヴァン達の方へと振り向いた。
「……ぁぁ……」
「……いったい……10日前、何があったんですか?」
血管が浮き出ていて、顔色が悪いアイーダを目にしたフェリは悲痛そうな表情で声を上げ、アニエスは辛そうな表情で訊ねた。
「フフ、単純な話さ。負けちまったのさ――――――完膚なきまでに、徹底的にね。」
「……っ!?」
「そいつは……」
アイーダの答えを聞いたフェリは信じられない表情で息を呑み、ヴァンは真剣な表情を浮かべた。
――――――二週間前、アタシたちの部隊はGIDのハーキュリーズに捕捉された。州内の猟兵にたまに仕掛けてくるってのは聞いた事があったからね。悪くない練度だが包囲網の隙を何とか突破してアタシたちは離脱した。村で一泊した後、ここに野営地を築いてどのルートで帰還するか検討してた時――――――……”アイツら”が現れたんだ。
どの使い手もヤバかったが……中でもリーダーの3名は別格だった。一人、また一人仕留められて、為す術もなく嬲り殺しにされて……アタシたちは文字通り”全滅”した。
――――――筈だった。なのにふと気づいたらアタシはこの場で目を覚まして……いつの間にか、その大きな石柱の上に赤い光を放つ装置が嵌っていた。死んだ筈の部下達も生きていたがただ呻いて蠢き続けるだけだった……アタシは何故か身動きが取れて意識も残ってたけど……どうしてか陽の光が苦しくてね。……しかも全然、腹が減らないんだ。仕方なく日中
[8]前話 [1]次 最後 [2]次話
※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりを挿む
[7]小説案内ページ
[0]目次に戻る
TOPに戻る
暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ
2024 肥前のポチ