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夢幻水滸伝
第三百三十七話 気のいい戦士その十

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「滑稽な馬鹿ですね」
「確かにそうですね」
「そうなりますと」
 二人も自分達が見てきたそうした輩の話をした、その様な愚か者は何時でも何処でも存在しているのだ。
「自分は強いだから恰好いいだの正しいだの思っていても」
「違いますね」
「わいそんな奴嫌いなんで」
 スタインベックは今度は吐き捨てる様にして言った。
「そやからです」
「意識してですか」
「ご自身が強者と思わない様にされていますか」
「はい」
 そうだというのだ。
「そうしています」
「そうなのですね」
「弱い人達をまず助けると共に」
「子供、病人、怪我人、身寄りのないお年寄りは弱いです」
 社会的弱者だというのだ。
「失業している人も。そうした人を見下さず」
「自分達が強者と錯覚せず」
「そのうえで、ですね」
「政をしていく様にしています」
「そうですか、そこまでお考えとは」
「素晴らしいです」
 二人も唸って認めた。
「それを政に活かされるとは」
「尚更です」
「そうですか、兎に角わいはそうした考えですさかい」
「これからもですか」
「そうした政策を執られますか」
「そうします」
 こう言ってだった。
 スタインベックは自分の政策、子供を中心とした社会的弱者を救済し保護することを念頭に置いた政策を進めていった。
 すると勢力の状況は日増しによくなっていきそれを見たネバダ州の街や村がまさに雪崩を打つ様にだった。
 彼の勢力に入りたいと申し出てきた、それでだった。
「いや、あっという間にです」
「州のかなりの部分を掌握した」
「州の街や村が入って来て」
「そうなってですね」
「はい、意外です」
 州の官吏達に話した。
「ほんまに」
「人は見ています」
「その人の行いを」
「政も然りです」
 官吏達は彼に冷静な声で話した。
「スタインベック様が善政を敷かれているのを見ています」
「子供達を大事にしているそれを」
「その結果勢力が日に日によくなっていることを」
「全て見ています」
「だからこそです」
「自分達もと申し出ています」
「スタインベック様の勢力に入りたいと」
 こう言うのだった。
「そうしています」
「そしてスタインベック様は受け入れておられます」
「そのうえでその街や村にも善政を敷かれています」
「だからです」
「州の大部分の街や村が入ったのです」
「そうですか、しかしです」
 それでもとだ、スタインベックは官吏達に述べた。
「こうなるとはわいとしては」
「思わなかったのですね」
「そうなのですね」
「とても」
「わいは只のアメフト好きの高校生ですから」
 起きた世界での自分のことを話した。
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