抑制という名の衝動
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身”。まぁ、もっとも正式使用者ではないので、本来の力を発揮できないが、対人レベルくらいの力は出せるものだよ」
まるで生徒に教えるような教師口調で、ガリレオは続きを説明する。
「効果は精々……触れた力を放棄させ遊ぶと言った所か」
言葉と同時にベンチが砕けた。
潰れたのではなく砕けた。分解という砕きだ。砕かれたベンチはバラバラ散り、組み立てなおさなければ使えないだろう。
その結果に、ガリレオは苦笑しながら問うた。
「力を遊ばれた気分はどうかね───とろけるようだろう」
「───行け!」
その言葉と同時に彼の背から一人の少年が出てきた。
「ノリキ!」
「名を呼ばなくてもいい」
何時も通りの無愛想な返事と表情と共に、既に両腕は構えられている。
そして彼が右腕に巻いている荒布を叩くと同時に緑色の鳥居型の術式紋章が展開される。
『創作術式”弥生月”:━━━発動』
ノリキはその腕をコンパクトに構えて、即座にガリレオの脇腹に全力と全速を込めて殴る。
拳が着弾するある種の良い音が響く。
だが
「───それだけかな?」
ダメージはまったくなかった。
魔神族の外殻はそれだけで防具になっている。並の衝撃では砕くどころか触感にすらならない堅さである。
何らかの術式を使っているようだが、ガリレオはそれはどうせ拳の強化だろうと見当を付けながら、それでもこの結果しか起こせてない事を解り易いように教える。
「君の拳は軽いようだ。痩せすぎている事もそうだが、そもそも君は総長連合ではないから、戦闘技能を鍛えていないだろう。嘆くことはない。一般生徒が私に挑んだこと気概は認めよう。だが、私を打倒するには───拳が軽い」
「……同じことを二度言わなくてもいい」
その瞬間、ウルキアガが動いた。
「返してもらおうか……!」
狙うは淫蕩の御身。
元より相手は副長なのである。いくら第二特務である自分であっても、そう簡単に勝てるなどと夢想していないし、狂っていない。
そもそも副長というのは戦闘に狂っている可哀想な生き物であるというのが自分の認識である。
自分みたいにエロゲや審問具に興味がある常識竜とは違って、戦闘しか興味がないのが副長である。
自分達の馬鹿は戦闘何て出来ねぇぜみたいな態度を取っているが、実際は全然違うというのが特務である自分達には解っていた。
何だかんだ言ってミトツダイラもそうだろうと思っている。
あれは戦闘に飢えている獣であると。
だから、あれは副長なのだとウルキアガは内心で納得しながら、戦槌を取りに行こうと腕を伸ばす。
「頼むぜウッキー!! それがあればホライゾンがエロく、そうエロく! いやら晴しいホライゾンになれるんだ……!」
「気が抜けるよう
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