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金木犀の許嫁
第六話 同居のはじまりその九

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「お風呂場は内側から鍵をかけられるので」
「その間は一人でいられるのね」
「入浴中は」
「わかったわ、じゃあその時は」
「鍵かけて下さい」
「そうするわね」
「忍者は鍵開けの技術も勉強しますが」
 佐京はこちらの忍術のことも話した。
「ですが」
「大丈夫な鍵ね」
「こっちの技術は昔の鍵でないとです」
「役に立たないのね」
「所謂ヒッキングですが」
「犯罪のケース多いわよね」
「ですからそうそう使えないですし」
 それにというのだ。
「お風呂場の鍵は」
「ヒッキングが使えないのね」
「そうしたものなので」 
 だからだというのだ。
「安心してです」
「使っていいのね」
「はい」
 そうだというのだ。
「それに俺間違ってもです」
「お風呂覗いたりしないわね」
「何があっても」
 このことは強く言うのだった。
「安心して下さい」
「そうなのね」
「兄さんはそんなこと絶対にしないです」
 白華も言ってきた。
「安心して下さい」
「誰にもそうしたことしないのね」
「はい、真面目で」
 白華は真昼にさらに話した、やはり真剣な顔である。
「奥手ですから」
「それは褒めてるのか」
 佐京は妹の今の言葉にすぐに突っ込みを入れた。
「奥手なのは」
「それも褒めているということで」 
 それでという返事だった、妹からのそれは。
「いいですね」
「そういうことなんだ」
「奥手ということは紳士ということとです」
「思っていいんだ」
「この場合は」
「そうなのかな」
「少なくとも心は女性と言って」
 何とジェンダーフリーからこんなことを言って堂々と銭湯の女湯に入ろうとする輩がいるらしい、恥知らずここに極まれりだ。
「一緒に入ろうとか言いませんね」
「それ変態だから」
 佐京は即座に答えた。
「ただの」
「そうですね」
「そんなことしたら終わり」
 それこそというのだ。
「人間として」
「そうですね」
「覗きも同じ」
 こちらもというのだ。
「そんなことする趣味ないから」
「こうした人ですので」
 白華は胸を張って真昼と夜空に話した。
「安心して下さい」
「最初からね」
「そんなことする人なんて思ってないわ」
「佐京君はどう見てもね」
「女の子を尊重する人だから」
「女性も男性も大事に」
 佐京は質かな声で答えた。
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