第2話 緋弾に出会いました。
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れてきたな」
「あんた!!アタシに一体なんの用なのよ!!」
アリアはまるで猛犬の様に、ボスと呼ばれた男に大きい声でそう叫ぶ。
「用?決まってんだろ。金だよ、金。世の中金が全てだろ?だからお金持ちな貴族様にたんまりと金を頂こうと思ってな」
余りにも普通な理由に、クルトは思わず笑ってしまいそうになる。それを何とか抑え込み、肝心な事を聞くために口を開く。
「なあ、この誘拐ってあんたらが仕組んだのか?」
「うるせえぞクソガキ」
男の一人が、クルトの顔面を殴る。
しかし、念でガードしているので、ダメージは一切ない。
「いいじゃん。どうせ俺は殺されるんだろ?なら教えろよ」
その言葉を聞いたボスは、楽しそうに笑う。
「中々肝っ玉の据わったガキじゃねえか。言う通り教えてやるよ。これは俺が計画したもんだ。俺だけの計画だ」
そう自慢げに言った後、男は部下の一人に目で合図する。「このガキを殺せ」と。
その合図を正確に悟ったアリアは、ここに来て初めて焦った表情を見せた。
「待ちなさいっ!!こいつは関係ないわ!だから解放しなさい!!」
しかし、そんな言葉で止まるならば彼らは誘拐などというリスキーな犯罪を犯してはいない。
支持された男はゆっくりと銃口をクルトの頭に持っていく。
その時、クルトは小さく笑った。
「そうか。ならもう―――お前らに用は無いな」
「あ?何か言ったかガ―――」
言い終わる前に男の意識が暗転する。
そして、椅子には既にクルトの姿はない。
その事に、アリアを含めたこの場にいる全員が驚愕する。クルトに銃口が向けられてから消えるまで、この倉庫内にいる全ての人間の視線が全てクルトに集まっていたのだ。にも係わらずその全員が完全に見失う。
そんな事は出来る筈がない。しかし、彼らは知らない。それが糸も容易く出来てしまう存在がいる事を。
「バカなっ!!ガキはどこいった!!?」
「わ、わかりま―――」
部下の一人が答えようとした瞬間、言い終わる前に意識を失い崩れ落ちる。
その後も、次々と部下が糸が切れた人形のように倒れはじめる。
そして、ものの一分で、倉庫内にいる者はアリアと、誘拐を企てたボスと、クルト=ゾルディックだけになっていた。
「アリアを人質に取るかと思ったが、それすらしないとはな。ま、しても意味ないけどな」
それがボスが意識を手放す前に聞いた最後の言葉だった。
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