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神々の塔
第五十八話 見えてきたものその九

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「間違いなく」
「ああ、それで若し八十まで生きたら」
「健康志向で毎年人間ドック通っていてお食事にも気を付けていてスポーツも欠かさないわ」
「そうなんだな」
「しかも長生きの家系よ」
 このことも話した。
「そうした人よ」
「じゃあ長生きするな」
 羅は言い切った。
「事故でもないとな」
「そうよね」
「だったらお亡くなりになるまでにな」
 羅は遠い目で語った。
「二十回は普通にな」
「離婚出来るわね」
「ああ、何か凄い人がいるな」
「そやろ」
「そんな人になりたくないし」
「我慢もして」
「諦めたくないな」 
 この話と共にだった、羅は前に出て来た虎一匹を両断した、そしてさらに先に進み神霊達の前に来ると武松に言われた。
「よくここまで来たな」
「そう言ってくれますか」
「ああ、長かったよな」
 綾乃に気さくな笑みで言ってきた。
「ここまで」
「まあ一歩一歩進んできまして」
「長かったな」
「はい、万歩計あったら凄いことになってたかと」
「ああ、もう何十万どころかな」
「億いってるかも知れませんね」
 綾乃は自分から言った。
「ひょっとしたら」
「この塔は何万階もあるからな」
 だからだというのだ。
「もうな」
「それだけはですね」
「いってるかもな」
「それで、ですね」
「長かったろ、だからここまで来たことをな」 
 まさにこのことをというのだ。
「褒めさせてもらうな」
「そうですか」
「ああ、それだけれどな」
「これからですね」
「戦うか、言っておくがわしは強い」
 武松はこのことも言った。
「覚悟しておいてくれよ」
「はい、もう覚悟してます」
 綾乃もそれはと答えた。
「それで来ました」
「そうだな、それじゃあな」
「これからですね」
「やるか」
「よし、最初はわしだ」 
 髭を生やし僧衣の袖から入れ墨を生やした大柄な僧侶が出て来た、その手には鉄の大きな錫杖がある。
「それでいいな」
「魯智深さんですね」
「ああ、花和尚だよ」 
 シェリルに豪快に笑って答えた。
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