第五十八話 見えてきたものその七
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「そういえば」
「そやな」
「結構そうした話多いわ」
「水滸伝はやな」
「それで所謂汚嫁と間男を成敗する」
「そんな話多いな」
「自分がされてへんけど武松さんもな」
好漢の中でも特に有名な人物の一人である。
「そうした話やろ」
「そやな」
「ちなみにその裏話みたいなのがな」
武松のそれのというのだ。
「金瓶梅や」
「あの話やな」
「あの話はエロいが」
昔から好色話として読まれてきた。
「実はな」
「水滸伝の裏話やな」
「一旦武松さんは追い出されて」
主人公側の西門慶達の暴力によってそうなるのだ。
「そしてな」
「追い出されてる間の話やな」
「そうなってるわ」
「そうやねんな」
「それで武松さんが帰って来て」
そうしてというのだ。
「お兄さんの仇を取ってな」
「終わりやな」
「お兄さんの汚嫁を成敗して」
「そうしてやったな」
「終わりや」
「そうやな」
「それでゲーテさんは相手おったから引き下がったから」
恋愛感情に苦しみ抜いたうえでだ。
「そうした話にはや」
「ならんかったな」
「それは立派やな」
「倫理観あった人やねんな」
「間男にはならんかったこと思うとな」
それならというのだ。
「そう言うてええな」
「浮気はあかんで」
綾乃ははっきりと言った。
「やっぱり」
「それはやな」
「うちもそうしたお話好きやないし」
「世の中にはやな」
「そうしたことがない方がええやろね」
「それはな」
羅も確かにと頷いた。
「そやな」
「そうやね、されると辛いし」
「ああ、かなりな」
「自分のことやなくても嫌な話やし」
「そうやな、それはな」
「浮気はお付き合いしている間は」
交際でも結婚でもというのだ。
「やっぱりな」
「あかんな」
「そやね、まあ浮気は論外として」
それでというのだ。
「うち等はやっていくことやね」
「そやな、しかし綾乃ちゃん交際したことは」
「ないねん、ただひいお祖父ちゃんとひいお祖母ちゃんダイアモンド婚になってん」
「六十年か」
「そうなってん」
「ずっと結婚生活続けてか」
「そうなってん」
「それはええことやな」
羅もその話を聞いて言った。
「ほんまにな」
「私の知り合いなんかほんまに三日で離婚したのにな」
シェリルは綾乃の話を聞いて述べた。
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