第一章 グレンダン編
シキという武芸者
シキ・マーフェス【リメイク】
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適度に相手に向かって発砲する。
適当に狙い定めたので男に当たることはない。しかしだ、未熟でも武芸者である男は手加減されていることに気づいてしまっており、それがさらに男の精神を逆撫でる。
「なめるなぁあああああああああ!!」
外力系衝剄の変化、背狼衝。
背中から発生させた衝剄の反動を利用し、男の姿がブレる。
シキは一瞬だけ眉をひそめ、横に回避した。直後、男の槍が先ほどまでシキが立っていた場所を通過する。
「そろそろ終わらせる」
銃を槍に向けて数発発射する。
着弾し、槍が横に大きく揺れるが男は無理やり腕の力を使い、懐に引き戻すとシキに向かって再び突き出した。
しかし、シキは避けようとしない。男の目にはゆっくりと進む槍がシキの体に食い込む姿が――――。
「なっ!?」
「言ったろ? 終わらせるって」
――――なかった。シキに触れた瞬間、槍が砂のように砕けてしまったのだ。
シキはそのまま男の頭に銃を突き付ける。
外力系衝剄の変化、撃壊。
先ほど撃った銃撃は最初から武器の破壊を目的にしていたのだ。
男は静かに息を吐くと両手を上げて降参の意を示した。激しい怒りなど武器を破壊された時に砕けていた。レベルが違いすぎるのだ、シキと男は。
同時刻、レイフォンもシキと同じように闘技場に立っていた。
違う点はシキが行っている大会よりも少し規模の大きい大会という点だ。実はシキも出たかったのだが、レイフォンと被るという理由で辞退していた。
孤児院での眠そうな雰囲気とは一転、触れば斬れる刀のような雰囲気を醸し出しているレイフォン。
「……レストレーション」
レイフォンは錬金鋼を復元する。それは身の丈はある剣であった。小さなレイフォンには不釣合いな剣。相手は子供が背伸びして武器を使っていると思っていた。
しかし、それは違う。そもそもレイフォンは武器に頓着がない。武器などどうでもいいし、相手を叩き切ればそれでいい。
「はぁ!!」
対戦相手が気合を入れた声で銃を撃つ。レイフォンが選択したのはとてもシンプルな答えだった。
内力系活剄、旋剄。
剄で脚力を強化し高速移動をしながらそれらを避ける。とてもじゃないが九歳の子供が出せる速さではない。対戦者である男は、レイフォンへの認識を改める。
レイフォンは小刻みに右に左に動き続ける。男は銃口を忙しなく動かしながら、レイフォンを近づけさせないように乱射する。
レイフォンは思い出す。悔しいが自分よりも強い武芸者である、家族の言葉を。
『んー? 銃を乱射されたらどうする? そりゃ避け続けるしかないだろ。いくら、お前でも直撃すればタダじゃすまないし、姉さんが黙ってない』
レイフォンはここで下げていた
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