第一章 グレンダン編
シキという武芸者
シキ・マーフェス【リメイク】
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が空高く舞い上がり、都市全体に散っていった。
それを見届けたシキは、ストレッチを軽く行ったあと家に帰るため、足に剄を込めて跳んだ。
*
シキが孤児院に帰るため、文字通り跳んでいる頃、とある少女が子供部屋に入った。
しかし部屋にいる者たちを生半可な起こし方では起きない。
それは今まで数々の強敵たちを起こしてきた少女にはわかっていた。そこで古来より強敵(寝坊助共とも読む)を打倒してきた武器の登場である。
その手には利き手である右手にはフライパンを、そして左手にはおたま。少女はニヤリと笑う、これでこいつらはおしまいだと。そして勢いよく二つをぶつけた。
「こらぁ! 朝よ! 皆、起きなさい!!」
その音に飛び上がる子供たちの中に一人だけ寝ぼけ眼をしながら渋々起き上がる少年がいた。そ名前をレイフォン・アルセイフという。
轟音で起きたレイフォンは朝で寝ぼけている頭を必死に動かして、目の前の少女にあいさつをする。
「お、おはよう、リーリン」
「うん、おはよ! レイフォン」
そして、ニコリと笑うのは孤児院最強の少女、シキの姉であるリーリン・マーフェスだった。
「いただきます」
「「「「いったっだっきまーす!」」」」
デルクの静かな掛け声のあと、数十人の子供の声が続き、軽い地響きのようにテーブルを揺らす。シキの家である孤児院の朝の光景であるが、その中にシキはいなかった。
「ハッハッハー!! 燃えろ、俺の剄!」
いたのは台所、シキとリーリンが切った野菜を剄の高等技術である化錬剄で変化させた炎で焼く。見る人が見れば、泡を吹いて倒れるほどの無駄遣いである。
外力系衝剄の化錬変化、焔。
しかしシキはそんなことは気にしない。適当にとある人物の真似をしていたら突然出来たのだ。真似をされていた、とある武芸者は腹を抱えて笑いこげ、面白げに自分の技を教え込んだの余談である。
さらによく見れば、シキが何人もいるように見えるが、いる「よう」ではなく「いる」のだ。
活剄衝剄混合変化、千人衝。
コレはルッケンスと呼ばれるとある流派の技、それも秘奥をとある相手と戦っている最中に盗み取った技である。
秘奥と呼ばれるくらいであるから、扱うどころか習得するのに何年もかけるはずの技がたった一度、見られただけで出来て、さらに台所で料理の補助に使われているとは思わないだろう。
さらに信じられない点は千人衝は本来、残像攻撃の類で分身の術などではない。なにのだが、シキは膨大な剄を使って実体を持った千人衝を可能としている。
しかし五人まで、剄の消費が激しくて戦闘ではまともに使えないという欠点があるがこういう場面であれば重宝する剄技だ。ただし激しく疲れるので使用するのは十分だけと五人までという決まり
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