第三章
[8]前話
「こんなことがあったのよ」
「へえ、そうなんだ」
「何処かね」
夫に笑顔で話した。
「ピーターに似ているわね」
「うちの子とね」
「そう思わない?」
「確かに」
夫もそれはと応えた。
「そうだね」
「そうでしょ、見て」
窓の外を見るとだ、自分達の家の向かいにあるアパートの前で。
黒と茶色の虎模様の大きなメイクイーンの血が入っているのではと思われる雄猫が薄いブロンドの髪の毛の小さな男の子と遊んでいた、彼等はとても仲よしだった。
「ピーター、今度はおもちゃ出すからね」
「ニャア」
「それで遊ぼうね」
「ピーターも元々はね」
夫に笑顔で話した。
「前の飼い主さんに飼育放棄されていて」
「殆ど野良猫だったね」
「そうだったのがね」
「君が生きものを保護している慈善団体のサイトを観てね」
「ええ、それでね」
「ピーターのことを知って」
「そしてね」
そのうえでというのだ。
「家族に迎えたわ」
「それで家猫にしようとしたら」
「よく出てね」
自分達の家からというのだ。
「ああしてね」
「フィリップ=マコーネル君と仲よくしてるね」
「そうよね」
「本当にね」
まさにというのだ。
「そこは似ているね」
「ええ、それでね」
「僕にも紹介してくれたね」
「この子のことをね」
パパのことをというのだ。
「そうしたわ」
「そうだね」
「それじゃあね」
「これからもだね」
「ピーターは出来るなら家猫にしたいけれど」
「フィリップ君の大切な友達だから」
「出すことを許しましょう」
「そうしようね」
夫婦で話した、そしてピーターとフィリップを見ると。
彼等はフィリップが言った通りおもちゃで遊んでいた、そして後日夫婦はフィリップがピーターに送ったクリスマスカードを見て心が温かくなった、そのうえでパパを確認すると彼もまたクリスマス用のサンタのセーターを誰かから貰っていた。
外に出たがる理由 完
2024・2・25
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