第二章
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「お外がいいのかもね」
「そうなんだね」
「だとしたらね」
「仕方ないね」
「お外が好きなことは」
夫婦で考えた、だが。
パパはよく見るといつも同じ方角に行ってだった。
そして帰って来る、そしてある日。
「ニャア」
「えっ、セーター!?」
「そのセーターどうしたの?」
夫婦はパパがセーターを着て帰って来たことに驚いた。
「誰かに着せてもらったにしても」
「誰になんだ」
「自分が触られると嫌がる子なのに」
「そんなパパに着せるなんて」
「相当な人だけれど」
「誰なんだ」
ウウフはそれがわからずパパがいつも行く先を調べた、すると。
ある猫好きの老婆がだった、パパのことを言った。
「ああ、あの赤い首輪の雄の」
「はい、黒猫です」
「パパ=レグバっていうんですが」
「あんた達の家族だね、毎日うちに来てくれて」
猫に囲まれていて言うのだった。
「うちの人息子夫婦と一緒にね」
「可愛がってくれてますか」
「そうしてくれますか」
「うちは皆猫が大好きで」
そうしてというのだ。
「特に私と孫がね」
「お好きで」
「それで、ですか」
「あの子も可愛がっているけれど」
パパをというのだ。
「それでセーターもね」
「着せてくれたんですか」
「貴女がそうしてくれたんですね」
「編んでね」
自分がというのだ。
「そうしたけれど」
「そうでしたか」
「有り難うございます」
「お陰で、です」
「パパが喜んでいます。ですが」
ここで夫婦は老婆に話した。
「触ると嫌がる子なのに」
「よく着せられましたね」
「私はずっと子供の頃からね猫が大好きで」
老婆は二人に笑って話した。
「そのせいかどの子にも懐かれてね」
「それで、ですか」
「パパもですか」
「よく懐いてくれているよ、けれどね」
それでもというのだった。
「あんた達の家族だからね」
「はい、大事にします」
「必ず」
「そうしてあげるんだよ」
夫婦に笑顔で話した、そしてだった。
彼等はパパを大事にしていった、パパは毎日老婆のところに行って帰って来た。そしてやがて二人が触ると喉を鳴らす様になった。
この話をネットで知ったイギリスマンチェスター在住のゲイル=マイヤースコー黒髪と黒目の整った顔立ちの彼女は。
在宅ワークの手を止めてサラリーマンの夫のジョゼフに話した。
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