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夢幻水滸伝
第三百三十七話 気のいい戦士その九

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「人は小さいですね」
「そして弱いです」
「そうですね」
「そこで勘違いしまして」
 そうしてというのだ。
「自分は強いと勘違いしますと」
「間違えますか」
「そうやと思ってます」
 スタインベックはチキンナゲットを食べつつ答えた。
「わいは」
「そうお考えだからですね」
「そうは思わへん様にして」 
 そうしてというのだ。
「そのうえで生きていて」
「政もですか」
「やってます」
「そうなのですね、ですが」
 店員はここまで聞いてスタインベックに言った。
「スタインベックは星の方で」
「能力が高いですか」
「はい、そして」
 さらに言うのだった。
「お身体は大きいので」
「強いですか」
「そうではないですか」
「いえ、ですから一人ではです」
 スタインベックは自分が先程言ったことから店員に答えた。
「星のモンでも政も戦もです」
「出来ませんか」
「他の人達がおらへんと」
 さもないと、というのだ。
「わいもです」
「何も出来ないですか」
「そうです」
 まさにというのだ。
「ラスベガスを治めることもです」
「出来ないですか」
「そうです」
 実際にというのだ。
「まことに」
「そうですか」
「わい一人で世界を救うことはです」
「無理ですか」
「そうです、星のモンも多くいてますね」
「天地人七十二人ずつおられ」
 店長はカツレツを食べてからウイスキーを飲んで言った。
「神星の方が十八人ですね」
「どうしてそれだけいてるか」
「一人では出来ることが限られていますか」
「そうです」
 まさにとだ、スタインベックは今度はベーコンのステーキを食べた、そのうえで自分の今の酒であるバーボンをロックで飲んで話した。
「まさに」
「それで、ですか」
「自分が弱いとはです」
 その様にはというのだ。
「自覚しなければです」
「なりませんか」
「最悪なのは誰か強く見える人を支持したり」  
 二人に話した。
「傍にいてです」
「自分も強者である」
「そう思うことですね」
「こうなると勝手に自惚れて」
 そうなってというのだ。
「強者の論理威勢のいいことばかり言います」
「いますね、確かに」
「そうした人も」
「そうなりますし」
「嫌な奴ですね」
「見ていると」
「虎の威を借る狐といいますが」
 この諺も出して話した。
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