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夢幻水滸伝
第三百三十七話 気のいい戦士その一
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                第三百三十七話  気のいい戦士
 スタインベックはこの世界に来て即座にこの世界のことと自分達のことを声から聞いた、そのうえでだ。
 暫くは最初に出たラスベガスの街をこれからどうすべきかと考えながら歩いていたがふと、だった。
 カジノの前にいた客引きの天使の若い兄ちゃんが言ってきた。
「何だあんたは」
「何だって言われてもな」
 スタインベックは兄ちゃんに左手を頭の後ろにやって答えた。
「星のモンやけどな」
「いや、星の方が急に出て来られるとは」
「わいも今さっきこの世界に出て来たばかりや」
「そうですか」
「それで出て来たばかりでな」
 それでというのだ。
「何をしたらええかな」
「わかっておられないですか」
「とりあえず戦士で術は全部使えてな」 
 兄ちゃんにさらに話した。
「武器は持ってるわ」
「そうなのですか」
「そやけどな」
 それでもとだ、兄ちゃんに言うのだった。
「仕事もないしこれからどないして世界を救うかも」
「わかりかねていますか」
「そや」
「ではです」 
 兄ちゃんはスタインベックの話を受けて提案した。
「このお店今用心棒がいないので」
「そうなんか」
「実家に帰ってしまいまして」 
 用心棒がというのだ。
「家業継ぐそうで」
「それでか」
「はい、ですから」
「お店の用心棒にやな」
「どうでしょうか、衣食住はしっかりとです」
 生活に必要なものはというのだ。
「提供しますし」
「暮らしていけるか」
「はい、とりあえずはです」
「仕事がないとあかんしな」
「そうです、しかもです」
 兄ちゃんはスタインベックにさらに話した。
「この世界のこともです」
「知っていきたいわ」
「でしたら」
 そう考えるならというのだ。
「まずはです」
「あんたのお店の用心棒になってか」
「それからはじめられては」
「ほななん」
 それならとだ、スタインベックは兄ちゃんの言葉に頷いて述べた。
「今からな」
「店長に紹介させてもらいますので」
「頼むな」
「はい、今から店長を呼びます」
 こうした話をしてだった。
 スタインベックは初老の鹿人である店長のところに案内した、店長も彼のステータスと能力に驚いたが。
 彼と兄ちゃんの話を聞いてだ、それならと頷いてだった。
 スタインベックは店の用心棒となり衣食住を提供してもらい給料も貰える様になった。そうして生活をはじめたが。
 彼は仕事の合間に常にだった。
「街の人達の為に働いていますね」
「困っている人を見ますとどうしてもです」
 スタインベックは七面鳥の丸焼きを食べつつ共に夕食を摂る店長に話した。
「身体が動きます」
「そうなのですね」
「特に子供達がそう
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