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オズのヘンリーおじさん
第四幕その四

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「ひょっとして」
「ええ、してるわ」
 おばさんはその通りと答えました。
「私達もね」
「そうなんですね」
「それでね」
 さらにお話しました。
「私も車の運転は好きよ」
「そうですか」
「軽トラを運転して」
 そしてというのです。
「畑に行ったり村のお店に行ったり」
「そうしていますか」
「軽トラがあったら」
 それならというのです。
「それで幸せよ」
「全くだな」
 おじさんも頷いて言います。
「あんな便利はものはないから」
「そうよね」
「ううん、ここでも満足って言うんだ」
 トトは思いました。
「何かね」
「無欲よね」
「オズの国の人達でも」
「本当にね」
「そんな人達だよ」
「ヘンリーさんとエマさんは」
「そうだね」
 トトは恵梨香達五人に応えました。
「僕もあらためて思ったよ」
「軽トラがあれば幸せって」
「それで今の暮らしもって」
「オズの国じゃ普通なのに」
「もっと言えば外の世界の日本でも」
「そうなのに」
「いやいや、あんな便利な車はないじゃないか」 
 おじさんは五人に言いました。
「それがあるだけでね」
「幸せなんですね」
「ヘンリーさんエマさんから見れば」
「そうですか」
「それだけで」
「軽トラがあれば」
「もっと言えばドロシーとトトがいて」
 そしてというのです。
「ガスも水道も電気もあって」
「テレビもパソコンもあってね」
 そしてと言うおばさんでした。
「携帯電話もあって」
「そうした状況なんてな」
「最高よね」
「本当にな」
「それじゃあね」
「満足する以外ないよ」
 おじさんは満面の笑顔で言いました。
「不平や不満なんてな」
「どうして思うのかしら」
「本当にな」
 こうお話するのでした。
「それで軽トラまであるなんてな」
「幸せの絶頂よ」
「今のわし等はな」
「それもその絶頂がずっと続くから」
「こんないいことはないよ」
「ううん、おじさんとおばさんは本当に無欲だけれど」 
 それでもと言うドロシーでした。
「あらためて思ったわ」
「こんな無欲な人達はそうはいないわ」
 オズマが応えました。
「オズの国でもね」
「そうよね」
「ええ」
 本当にというのです。
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