第二章
[8]前話
池山は募金をしている人達を見てだ、初見に尋ねた。
「大丈夫か?」
「駄目だな」
初見もその人達を見ている、そのうえでの返事だった。
「この連中は」
「国会に議席持っている政党だけれどな」
「ここ震災の募金をな」
今の様にして集めたそれをというのだ。
「自分の政党の支部の復興にだよ」
「使ったんだな」
「ああ」
そうだというのだ。
「被災者の人達に使わないでな」
「そうだったんだな」
「だからな」
そうしたことをしたからだというのだ。
「この連中にはな」
「募金したら駄目か」
「俺が前に話したな」
「そうした団体か」
「それでだよ」
そうであるからだというのだ。
「絶対にな」
「この連中には募金したら駄目か」
「ああ、行こうな」
「それじゃあな」
池山も頷いた、そうしてだった。
二人は募金を呼び掛ける声を無視して駅に入った、そして翌朝学校に行くと校門前で募金を呼び掛けていたが。
「赤十字だからな」
「大丈夫か」
「しかもやってる先生はな」
「あの先生なら大丈夫だな」
生徒達と一緒にいるのは学校でも人格者として評判の先生だった。
「寄付を横領したりしないな」
「じゃあ募金するか」
「そうしような」
二人で顔を見合わせて微笑み合った、そしてだった。
募金の箱にそれぞれお金を入れた、するとちゃりんという音がした。二人はその音を聞いて自然と笑顔になってその音を聞いてから部活の朝練に出た。
正しい募金 完
2024・2・22
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