第七百三十九話 スパイは何処にいるその三
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「マウリアの人達が実はな」
「スパイか」
「マハラジャタウンにいるな」
マウリアから連合に移住した人達のコミュニティである。
「あの人達がな」
「実はスパイで、だな」
「連合の情報を収集してだ」
「技術を盗んでいるか」
「そんな噂があるな」
「それを言うとだ」
タムタムは真顔で話した。
「セーラもか」
「いや、セーラはな」
「違うでしょ」
テンボだけでなくジャッキーも否定した。
「幾ら何でもお姫様がって」
「それに高校生がスパイなんてな」
「有り得ないことだ」
タムタムも否定した。
「流石にな」
「そうだな」
「それはないわね」
「それも噂だからな」
マハラジャタウンにいるマウリアの者達の中にスパイがいるという話はだ。
「噂はだ」
「信じないことか」
「そうあるべきね」
「確かにマウリア人は個性的な人が多くてな」
マウリアという国自体が連合からはかなり変わった国もっと言えば異世界の様にイメージされている。
「話をしてもわからないってな」
「言われてるな」
「そうよね」
「知らないことを知っていると言い」
そうしてというのだ。
「ハッタリは普通で自分の興味のあることに話を持って行ってな」
「それも強引にな」
「何の脈絡もなくね」
「そして頓智を駆使し」
「話せば止まらない」
「そうした人達よね」
「そうだが」
それでもとだ、タムタムは言った。
「スパイと決め付けるのはな」
「よくないな」
「マウリアの人達だからっていっても」
「偏見は駄目だ」
強い声で断言した。
「それだとエウロパの連中と同じだ」
「エウロパの奴等って偏見そのものだからね」
ジャッキーは自分の言葉自体が偏見と自覚せずに述べた。
「階級に宗教に民族にね」
「人種でな」
テンボも応えて言った。
「お貴族様第一でな」
「宗教で沢山人殺してね」
「十字軍とか中南米侵攻でな」
「民族が違っていて虐殺して」
「ヒトラーがそうしたな」
「それで人種もね」
これもというのだ。
「白人至上主義でしょ、今も」
「あそこは白人しかいないからな」
「人間は大差ない」
タムタムはまた断言した。
「連合を見ろ、各国の知能指数や運動能力はな」
「しょちゅう入れ替わってね、その順位」
「三百以上の国がいつも殆ど横並びだな」
「そうなってるわね」
「本当に大差ないな」
「個人の努力次第で何ともなる」
知能指数や運動能力はというのだ。
「そして人間混血してこそな」
「いいな」
「本来の良さが出るわね」
「大差なくても得手不得手がある」
このことは事実だというのだ。
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