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神々の塔
第五十八話 見えてきたものその三

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「ほんまな」
「ここはやな」
「やれる、わい等やとな」
「そう思って進むことやな」
「これまでもそやったが」
「これからもやな」
「そや、気の持ち様でな」 
 それでというのだ。
「やれるわ」
「どんなことでも」
「そや」
「この塔の何が一番厄介か」
 羅はそのことを話した。
「複雑な様々な形のダンジョン、モンスター、強い神霊さん達やなく」
「階数やな」
「そやろ」
「そやな」 
 メルヴィルも確かにと頷いた。
「それは」
「ああ、それでや」
 羅はさらに言った。
「その階数果てしない高さこそがな」
「この塔最大の武器やな」
「何万階もあってや」
 そうしてというのだ。
「地下世界から天界まで届く様な」
「そんな塔を踏破しようとかな」
「普通はな」
 それこそというのだ。
「考えんわ」
「途方もなくてや」
「そや」 
 その為にというのだ。
「とてもや」
「出来んな」
「そしてや」
 そのうえでというのだ。
「実際踏破したんはエカテリーナちゃんとな」
「今度ヘッセ達も行くって言ったな」 
 中里が言ってきた。
「そんな話してたな、連中」
「そうみたいやな」
「そして以前な」
「一人挑戦してな」
「踏破したらしいな」
「そうらしいが」
 それでもというのだ。
「他には挑戦しようという人すらや」
「出てへんみたいやな」
「幾ら踏破したら凄い力が手に入っても」
「この世界にかなりの影響を与えるだけの」
「それでもや」
 羅は中里に話した。
「流石にな」
「それはないな」
「そや」
 まさにというのだ。
「何万階も登るとか」
「途方もないわ」
「その間の獣やモンスター、神霊さん達との戦もあるが」
「何万階とかな」
 それだけのものはというのだ。
「常識なんて何処にある」
「そんなレベルやな」
「仏教の単位ちゃうわ」
 中里は苦笑いをして話した。
「仏様のな」
「ああ、仏教の時間ってとんでもないな」
 羅もそれはと応えた。
「弥勒菩薩さんの五十億七千万年とかな」
「それだけ修行してや」
「全人類を救うな」
「そう言われてるわ」
「そやな、しかしな」
「その時間の単位はやな」
「正直途方もなさ過ぎて」 
 人にはというのだ、所詮百年生きられればこれ以上はないと言われる人間では仏の時間の概念なぞ理解出来ないということか。
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