第百十八話 戸籍謄本その六
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「本当にいつも飲んで飲んだら暴力振るうらしいんだよ」
「それ本当に最低よね」
かな恵も言った、弟に顔を向けて。
「もうね」
「そうだよな」
「最悪と言っていいわ」
「働かないでな」
明男はその輩のことをさらに話した。
「酒に暴力にギャンブルに浮気って」
「うわっ、本当に最低最悪ね」
「どう聞いても人間の屑だよな」
「そう思うわ」
「それで借金までしたっていうからな」
「若しかして闇金?」
「そう、それに金借りてな」
姉の予想通りにというのだ。
「もうお袋さん周りから別れろって言われてな」
「別れたのね」
「皆言ってるよ、別れてよかったってな」
その様にというのだ、事実夫婦というものも相手があまりにも悪いと別れた方がいいこともあるのだ。
「そう言ってるよ」
「私もそう思うわ」
「だよな、片親が悪いならな」
「そんなお父さんと一緒にいろっていうことよね」
「それこそ暴力教師が顧問の部活に行けっていうのと同じだよ」
明男はこうも言った。
「いつも殴る蹴る罵るで生徒に傷負わせかねない様な暴力振るう」
「そんな先生本当にいるしね」
「こんな奴が顧問の部活に行ってもな」
そうしてもというのだ。
「やっぱりな」
「いいことないわね」
「暴力で怪我したらどうするんだよ」
それこそというのだ。
「DV旦那だってな」
「一緒にいろって言ってね」
「奥さんや子供さん、部員が我慢してな」
「それで殴られて蹴られてね」
「怪我したら言った奴責任取るのかよ」
「そう言う人って無責任に自分の考え押し付けてるだけでしょ」
「そうだよな」
明男は姉のその言葉に頷いた。
「だったらな」
「例え何があってもね」
「家族や生徒さんが怪我したり最悪死んでもな」
「責任取らないわよ」
「そうなるに決まってるよな」
「ええ、だからね」
「そんな顧問の部活は辞めてな」
暴力を受けて大事に至る前にというのだ。
「旦那ともだよ」
「別れるべきね」
「それで片親になって悪いのかよ」
「何処が悪いのよ」
「あと先に死なれてもな」
夫婦の相手にというのだ。
「仕方ないよな」
「それじゃあね」
「片親でも立派に育ってる人なんてな」
「その子もそうだし」
「いるだろ、片親だから悪いなんてな」
そうしたことはというのだ。
「絶対にな」
「ないわね」
「ある筈ないだろ」
それこそというのだ。
「もうな」
「その通りよね」
「そんなことで差別するとかな」
「馬鹿よね」
「そうだよ、だから戸籍謄本のこと気にしてもな」
そこに書いてあることをというのだ。
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