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おぢばにおかえり
第七十九話 残さないことその十五

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「最後は落ち着くところに落ち着く作風ですね」
「大阪の中をなの」
「そうです、忍者の作品も書いてますよ」
「そう言うと娯楽ね」
「そうです、純文学に入っていても」
 それでもというのです。
「純文学自体結局娯楽じゃないですか?」
「そうかしら」
「楽しんで読みますから」
「そうなるのね」
「シェークスピアも」
 この人の作品もというのです。
「楽しめるので」
「娯楽なのね」
「それで織田作さんの作品もです」
「娯楽なのね」
「僕はそう思って読んでまして」
 そうしてというのです。
「猿飛佐助も書いてますよ」
「真田十勇士の」
「空飛んだりしてます」
「それって忍術じゃないでしょ」
 お空を飛ぶとなるとです。
「仙人さんじゃない」
「いや、昔の忍者ものってそうだったんですよ」
「お空飛んだの?」
「忍術で」
「そうだったの」
「漫画でもそうで」
 そちらでもというのです。
「色々なものに変身したりします」
「妖術みたいね」
「ほら、蝦蟇とか」
「ああ、大蝦蟇ね」
 私も言われてそれはとなりました。
「あれね」
「それでわかりますね」
「ええ、ああした忍者だったのね」
「昔は」
「それで織田作之助さんの作品でもなのね」
「お空飛んで」
 そうしてというのです。
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