第二章
[8]前話
「同じ大学で」
「ってことは」
「八条大学です、高等部から一緒です」
「僕も卒業してるから」
「後輩ですね、建築学科ですよ」
「僕は経済学部でそっちの学科だけれど」
「奇遇ですね」
「うん、しかし宮大工で女性の社長さんで大丈夫かな」
田所はまだ言った。
「ちょっと会って話をしようか」
「はい、それでは」
「ちょっと行って来るよ」
田所は自分からだった、その社長新田帰蝶と話をすることにした。接待の場で地元の料亭で彩奈を交えて話の場を持ったが。
彩奈と同じ位の一五〇程の背で楚々とした感じで黒髪をショートにしている、小さな顔で丸眼鏡の奥に大きな目がある。
膝までのスカートのスーツに着るというより着せられている彼女と話すとだ。
「いや、かなりね」
「しっかりしていますね」
「うん、喋り方も考え方も」
彩奈に接待の後で話した。
「後は仕事ぶりを見ようか」
「そうしてくれますか」
「そうするよ」
こう言ってそちらも見るとだった。
それはかなりでだ、田所は言った。
「大丈夫だね」
「しっかりした経営ですね」
「うん、宮大工の会社の社長さんとしてね」
「問題なしですね」
「うん、しかし宮大工の世界で女性の社長さんはね」
「珍しいですか、ですがこれからはです」
「普通になるかな」
彩奈の話を聞いて言った。
「そうなるかな」
「時代は何でもいつも変わるものなので」
「宮大工の世界も同じで」
「女性の社長さんもこれからは」
「増えてだね」
「普通になります」
「そうなるんだね、それで僕はそのはじまりを見ているんだ」
田所は考える顔で述べた。
「それでこんなことを言ったんだ」
「そうなりますね、はじまりを見ますと」
彩奈は田所に話した。
「まさかとなるものですね」
「うん、大丈夫かとか思うね」
「そう思いますね」
「そうだね、そのことがわかったよ」
自分でとだ、こう言ってだった。
田所はその企業との取引をこれからもしていくべきだと支社長にも言って認めてもらった。社長も経営も確かだからと。そしてそれは実際にそうであった。
女社長は宮大工の世界でも 完
2024・2・21
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