今日は厄日だ。
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は2機に減った敵ISに接近しながらエネルギービット《キロプテル》での射撃を行いつつパイルバンカー《ストライクバンカー》で装甲を貫通させて全弾打ち込んだ。
「風宮君! 上です!」
山田先生の声を聞き、すぐに上を向いたがいいが熱線が目の前まで迫っていた。当然、回避などは無理だ。
そのままモロに食らい、俺は海に叩きつけられる。そしてオマケとばかり殴ってくる。
「邪魔―――するな!!」
零距離で《インパクト・スラッグ》を展開と同時に撃ち、蹴り飛ばす。
なんとか至近距離で爆発を食らわないで済んだ。
「山田先生、敵は?」
「今のところは確認できません」
「では3人1小隊を組んで哨戒を行ってください。敵の目的は不明ですのでまた襲ってくるだろうし」
それだけ伝えると、俺はさっきまでいた場所へと戻ろうとする。
「え? どこに行くんですか!?」
「一夏の試合が終わったのでどうなっているか見に行くんです。まぁ、その残骸を運ぶのを手伝って欲しいというのなら構いませんが」
山田先生は普段ではありえないように機敏に指示して何人かの教師を連れて残骸の回収を行った。そしてすぐに停止させられる。………ここから先は立ち入り禁止らしいな。
「さて。ゴミ掃除も終わったし、さっさと一夏の―――!?」
急に頭痛が俺を襲った。今日は厄日かっての。
―――やっぱり、無人機。あの女、本当に邪魔だ。
(あの女? 誰の―――!?)
謎の単語が俺の頭を過ぎり、さらに段々とビジョンが浮かんできた。
(………あれは、俺……? そして――――さっきのIS!?)
―――まぁいいや。邪魔するなら殺す。どんな手を使っても。例え―――地球が滅んでも。
そんな物騒な声を最後に、俺の意識は飛んだ。
■■■
『………これで最後か』
彼は名簿を見ながら最後の死体を自作した棺桶に入れた。
『……すまないな、みんな。俺だけが生き残って』
そう言いながら彼は火を投げ入れてから棺桶の蓋を締め、機械で掘った大きな穴にそれを入れた。
『でも、それは後悔していない。神とか信じていないけど、それでも―――抗う。たぶんだけど―――今の俺は触れてはいけない一線を超えているんだよ。だからいつか、その記憶を消す』
話している間も、目の前にある炎は段々と勢いを増している。普段なら逃げなければいけないが、炎がその男を避けていた。
『もしかしたら、早い内に会えるかもしれないな。俺がどんな結末を辿るかわからないけど………。その時は歓迎してくれよ』
その言葉を最後に彼は背を向け、ISを展開した。
その姿は―――ディアンルグだった。
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