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白い翼の剣士
3話
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着の着方もよくわからなかった。







「今日はここまでやな」

「はぁはぁ、はい。ありがとうございます」

あの後、なかなか道場に姿を見せないウチの様子を見に来た師匠に道着の着方を教えてもらい道場まで案内してもらった。なんでも師匠は弟子をとるのは初めてらしくまだ勝手がわからないらしい。師匠自身、子供のころから剣道をやっていたらしくまさか道着の着方がわからないとは思わなかったとか。

一人でも道着が着れるようにと何度か練習しているうちに大分時間が経ってしまい、今日の稽古は礼と素振りだけで終わってしまった。
それだけでも新しいことはたくさん教わった。まだ上手く素振りが出来るわけではないがこれから練習していこうと思う。初めてのことだったせいもあるだろうが、大した数やっていないのにすぐに息が上がってしまった。

「それじゃあ、刹那はシャワーでも浴びてきな。昨日も結局お風呂には入れんかったしな。その間に朝ご飯作っとくわ」

そう言うなり、師匠はウチを風呂場まで案内するとタオルと着替えを押しつけて台所に行ってしまった。
手伝いでもした方が良いのではないかとも思ったが、冬とはいえなれない稽古で汗をかいてしまっているし、ましてや昨日お風呂に入っていない身としては汗を流したいと思っていた。そのため、ここは師匠の言葉に甘えることにした。

明日からはご飯の支度を手伝おう。シャワーは師匠が仕事に行ってから浴びさせてもらうえばええ。

先ほど何度も着たり脱いだりを繰り返した道着を脱ぎ、脱衣所から風呂場へと入っていく。
蛇口をひねりシャワーを浴びながら考える。
今日は短い稽古ではあったがわかったことがいくつかあった。短い時間しかやっていないからとはいえ素振りは上手く出来ているとは言い難い。なによりも竹刀が重い。最初は大して気にならない程度の重さしかないが、素振りを続けていくうちにどんどん重く感じるようになる。最後のほうでは竹刀を振ることがやっとの状態になってしまっていた。剣士がまともに剣も振れないのは大問題だ。筋力をつけなければならない。それに、今日は短い時間素振りしかしていないのに息が大分上がってしまった。稽古を長い時間続けるためにも体力が必要になってくる。

まだまだ至らない点ばかりだ。

そんなことを思いながらシャワーから落ちてくる水滴を見つめていた。




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