敢闘編
第七十九話 狩りの準備
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のかと思われます」
マッケンゼン艦隊?聞いた事がないな。という事は新規編成の艦隊という事か。しかし何故停止しているんだ?トラブルか?まあいい、このまま逃げるだけだ。
「マッケンゼン艦隊とやらが止まってくれて助かりましたね」
「本当ですよ…参謀長はマッケンゼンという名前に心当たりがありますか?」
「いえ…まったく聞いた事がありません。新規に編成された艦隊ではないでしょうか」
ヤンさんもマッケンゼンという名前には心当たりがない様だ。となると新規編成の艦隊か、まさかとは思うが貴族の艦隊という事になるが…。
「二つの艦隊が合流すれば一万六千隻といったところか。厄介だな…」
ラップさんがため息を吐くと、ワイドボーンが心配するなとでもいう様にラップさんの肩を叩く。
「だが、合流したとて命令系統は別だ。普段から一緒ならともかく戦場でいきなり合流した艦隊同士が、上手く連携を取れるとは思えん」
「上手く連携したらどうするんだ?」
「それは…」
アッテンさんならそれがどうした、とでも言うんだろうけど、どうやらワイドボーンは同期には弱いらしい。そんな二人を見てヤンさんは苦笑している。
「ラップ中佐、ウチの状況はどうです?」
「はっ…六千百十二隻、そのうち全力発揮可能な艦艇は五千八百四十隻です。ハイネセン出撃前に千隻近くも不調な艦が出たのが痛かったですね。申し訳ありません」
不調な艦はハイネセンに置いていくしかなかった。ウチの艦隊は艦歴の古い艦艇ばかりだからなあ…。まあ帰る頃にはオーバーホールもきちんと終わってるだろう。帰れたら、の話だけども…。
囮を演じて四日目…カイタルからの増援が現れるまであと二日、いや三日だろうか…ヒルデスハイム艦隊が現れたのはまったくの偶然だけど、オットーが言った様に、ラインハルトを倒せるかもしれない。
“その、お前が高く評価しているミューゼル少将だけどさ。今なら倒せるんじゃないか”
『倒せるかねえ…うーん』
“お前だってかなりイイ線行ってると思うんだけどな。正攻法でイゼルローンを陥としたのはお前なんだぞ”
『そりゃあ十二個艦隊も動員すればだな』
“実際戦ったのは四個艦隊だ。その作戦を立てたのはお前なんだぞ”
『それはまあ、そうだけど。俺が直接戦った訳じゃない』
“それは相手だってそうだ。ミューゼル少将ってのはまだ、艦隊司令官じゃないんだろ?やり様はあるだろう”
『確かにそうだけど…』
“このまま囮としてあいつ等を引き付け続けられたら、もうすぐ味方の三個艦隊が到着する。マッケンゼン艦隊じゃなくヒルデスハイム艦隊に攻撃を集中出来れば…”
この世界をこわしたくない、という理由で俺は一度ラインハルトを見逃した。この先ラインハルトが原作の様に栄達するかは分からない。でも原作の様に奴が軍権を握ってしまったら
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