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星々の世界に生まれて〜銀河英雄伝説異伝〜
敢闘編
第七十九話 狩りの準備
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なんだ。このタイミングでラインハルト達が現れるというのは、俺達を追撃している帝国艦隊から連絡があったからだろうが…そうすると五千隻というのはおかしい。援軍として駆けつけるのに艦隊を分ける必要はないからだ。ましてや奴等は挟撃を望んでいる筈だ。五千隻では足りなくはないが、少なすぎる…何か理由があるのか?



4月16日00:30
銀河帝国軍、ヒルデスハイム艦隊旗艦ノイエンドルフ、
ラインハルト・フォン・ミューゼル

 敵艦隊はヴィーレンシュタイン星系を離脱後、変針した。変針後の敵艦隊は星系離脱後、星系の外縁に沿う様に十二時方向…ボーデン方向に進んでいる…とマッケンゼン艦隊から連絡があった。頭を…針路を押さえられては敵わないという事だろう。だがこれでマッケンゼン艦隊はいずれ追い付く事が出来る。しかし…。
「前後から挟撃、という訳にはいかなくなりそうですな。ですが、敵艦隊は後方から攻撃を受ける事になります。奴等は数が少ない、これはこれできついでしょう」
ミッターマイヤーの言う通りだった。このまま上手く行けば、右翼後方、四時方向から我々が、左翼後方、七時から八時方向からマッケンゼン艦隊が…と、あの艦隊は攻撃を受ける事になる。奴等の正規艦隊、一万五千隻という編成であれば半数ほどを分派して我々をどうにか出来ようが…。
「参謀長は残念そうですな」
そう言ってロイエンタールが微笑した。決して蔑んでいるのではない優しい微笑だった。残念?俺は何を残念に感じているのだろうか……そうか、そういう事か。
「確かに残念だ。散々我々を苦しめた敵を、この様なありふれた追撃戦で殺してしまうのだからな」
「五分の条件で戦いたかった、と?」
「出来る事なら…そうだな、互いが互いの勢力の運命をかける様な戦場で相まみえたかったと思っている」
どうせなら、自ら艦隊を率いる立場で戦いたかった…。このまま推移すれば、敵十三艦隊…ウィンチェスター艦隊は消滅するだろう。無慈悲に後方から狩り立てられていくのだ。
「マッケンゼン艦隊より通信です『我、遅レル。再編成中、〇〇一五時』」
…遅れる、だと?
「参謀長、追撃中止。マッケンゼン艦隊との合流を優先させよう。何やらトラブルでもあったのやも知れぬ」
このまま進めば我等だけでも追い付けたものを…
「はっ…艦隊速度まま、針路をマッケンゼン艦隊の座標に変更!」



4月17日02:10
自由惑星同盟軍、第十三艦隊旗艦グラディウス、
ヤマト・ウィンチェスター
 
 「ヴィーレンシュタイン星系より我が艦隊を追撃中の艦隊、同星系外縁部にて停止している模様。尚、通信傍受により敵艦隊はマッケンゼン艦隊と判明。我が艦隊の八時方向、約三百光秒。ヒルデスハイム艦隊も変針しました。変針後のコースをたどりますと、両艦隊は合流するも
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