敢闘編
第七十九話 狩りの準備
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らも補強される。また、叛乱軍が優位に戦局を進めているのはウィンチェスターが叛乱軍の首脳を補佐する様になってからであり、現在もその状況は続いているものと考えられる。もし本当にあの艦隊が第十三艦隊であれば、その任務が何であるかは関係ない、挟撃に持ち込み彼を捕殺する事が出来れば、叛乱軍の軍事戦略そのものに大打撃を与える可能性が大である…。
「宜しい。参謀長以下全てが同じ意見というのなら私に反対する理由はない。キルヒアイス中佐、現在の速度で進んだ場合の会敵予想時刻は」
「はっ…十七日、〇六〇〇時頃かと思われます」
「了解した。参謀長、全艦に通達。総員交替で六時間毎の休憩を取れ。休憩の内一時間は確実にタンクベッド睡眠を取る事。飲酒も許可する」
「はっ!」
4月15日20:10
自由惑星同盟軍、第十三艦隊旗艦グラディウス、
ヤマト・ウィンチェスター
「閣下、シャンタウ方向に避退行動を取っていた通報艦スティングレイより通報です。『敵艦隊ヲ確認、オヨソ五千隻。旗艦戦艦識別コードニヨル識別ノ結果、ヒルデスハイム艦隊ト思ワレル。貴艦隊ノ現針路ヨリ十二時方向、約八百光秒。当艦八コレヨリ現座標ヨリ離脱スル。貴艦隊ノ武運ヲ祈ル』…以上です」
かぁーっ!またヒルデスハイム艦隊かよ!しつこいな全く!…しつこいラインハルトか。ヒルダ嬢ちゃんに嫌われるぞ!
「了解した。エリカ、皆を集めてくれないか」
「はい、あなた」
今、司令部艦橋には俺とエリカの二人だけだった。任務中とはいえ、二人きりの時にはファーストネームで呼ぶ事にしている。任務中に二人きりになる事など少ないと思っていたけど、意外にその機会はあった。なんだかんだと周りが冷やかしながらも気を使ってくれるのだ。二人で話し合った結果、ハイネセンに戻ったらエリカには艦を降りて貰う事にした。俺達二人は困らないが、周りが困るのだという。パオラ姐さんからは出撃中の夫婦の営みは少し控えて下さい、って注意されてしまったし…。
「何かありましたか」
艦橋への一番乗りはいつもヤンさんかワイドボーンだ。ワイドボーンが一番乗りなのは分かる気がするけど、ヤンさんが一番乗りというのはかなり意外だ。なんでも、そうしないとワイドボーンがうるさいのだそうだ。『怠けるのは艦隊司令官になってからにしろ』って言われるらしい。
「ああ、参謀長。敵の増援の様です。五千隻程度ですが、どうやらヒルデスハイム艦隊らしい。しつこい艦隊ですよ全く」
エリカがヤンさんに先程読み上げた通信文を渡す。ヤンさんがそれを読みあげる間にワイドボーンが艦橋に入って来た。
「閣下は艦隊司令官のヒルデスハイム伯より、参謀のミューゼル准将を注視しておられましたね。それ程危険な人物なのですか」
「参謀長、このままの針路だと頭を押さえられてしまいますね…艦隊九
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