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星々の世界に生まれて〜銀河英雄伝説異伝〜
敢闘編
第七十九話 狩りの準備
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立目的も怪しいものと言わざるを得ないな」

 叛乱軍が艦隊を新設したという情報は、フェザーンの高等弁務官府経由で情報部にもたらされた物だ。ミッターマイヤーとロイエンタールに話した通り、叛乱軍領域内の哨戒や巡察等を専門とする艦隊、という事だった。小規模でもあるし奴等の国内用なら、と気にかけずにいたが、若し出現した敵がその艦隊と言う事になると話は別だ。そんな情報もありましたね、と呟きながらキルヒアイスが端末を操作して敵艦隊の情報を検索していた。
「ありました、表示します」
……第十三艦隊。規模は七千五百隻と小規模ながら、叛乱軍の正規艦隊に属する。アムリッツァ宙域を不当に占拠した叛乱軍の戦力配置見直しにより新設された艦隊で、国内(と叛乱軍は称している)向けの哨戒活動を専任とする。国内での運用である為、新兵や中級士官の練習艦隊としても使用される模様……。
「何とも贅沢な話ではないですか。この艦隊も含めればイゼルローンの駐留艦隊と合わせて十四個もの正規艦隊を叛乱軍は保有している」
「一つか二つくらい分けて欲しいものだな。アムリッツァ一つ奪われただけでこうなるとは…」
ミッターマイヤーとロイエンタールがそれぞれ感想を述べる中、キルヒアイスが表示映像をスクロールしていく……艦隊旗艦は従来のアイアース級旗艦戦艦ではなく、おそらく大規模分艦隊級の兵力を指揮する為に建造された、多少旧型のヒューベリオン級旗艦戦艦だと推測される。叛乱軍の公式発表にあった、艦隊司令官の名もあわせて記しておく。叛乱軍少将、ヤマト・ウィンチェスター。ウィンチェスターなる者は……。
「ほう、卿の旧知の者が艦隊司令官の様だな、参謀長」
我々四人の後ろにはいつの間にかヒルデスハイム伯が立っていた。
「はっ、その様です…とすると、おそらくこの艦隊は情報通りの哨戒用や練習艦隊などでは無いかと。アムリッツァに駐留する叛乱軍艦隊が、わざわざ半個艦隊を編成してまで我が帝国領内深くまで進出させるとは考えられません。偵察任務なら長距離通報艦か強行偵察艦に任せた方が確実です」
「うむ…以前から参謀長はウィンチェスターなる者を高く評価していたな。もし本当に、そのウィンチェスターが指揮する艦隊なら、半個艦隊と言えども弱兵ではあるまい。マッケンゼン提督が我々に助力を求めたのは、敵が少数である事に疑念を持ったのかも知れぬ」
「はっ。だからこそ撃破せねばなりません。あの艦隊を撃破し、ウィンチェスターを捕えるか倒す事が出来れば、叛乱軍に大打撃を与えられると思うのです」
俺の考えを汲みとったのだろう、キルヒアイスが伯爵に対して説明を始めた。国内用と発表されている艦隊が何故こんな所にいるのか。それだけでもまず不審であり、何らかの特別任務を帯びている可能性がある。そしてこの推測はあのウィンチェスターが司令官である事か
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