第91話 霧のロレント
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かだって思って振り返るとリィンは気まずそうに掲示板の後ろに隠れていた。
「リィン、なにやってるの?」
「あ、いや……」
「アイラが呼んでるよ。早く出なよ」
「ちょ、ちょっと待ってくれ……!」
わたしはリィンの手を引っ張ってアイナの前に連れ出した。
「えっと……お久しぶりです、アイナさん」
「久しぶりね、リート君。何も言わずに帰っちゃったから寂しかったわ」
「あの……俺の名前は……」
「なにかしら?はっきり言ってくれないと分からないわよ?」
なんでか声が小さいリィンにアイナは楽しそうに笑みを浮かべて偽名を言い続ける。そういえばリィンは世話になったアイナに何も言わずの帰ったことを気にしていたんだっけ。
でも騙していたようなものだから気まずいんだね。
相変わらず変に気にしすぎだよね、リィンは。アイナは気にしてなさそうなのに。
「アイナさん、俺……貴方に嘘をついてて……謝りもせずに帰ってしまって……すみませんでした」
「……違うでしょ?」
「えっ?」
アイナはカウンターから出てくるとリィンの前に立って彼を抱きしめた。
「お帰りなさい、リィン君」
「あっ……ただいま、アイナさん」
リィンはそう言うとアイナの背中に手を回して抱擁を交わした。わたし達はそれを見てそれぞれが色んな反応をしていた。
わたし?わたしは良かったって思ってるよ。リィンほどじゃないけどアイナにはお世話になったしリィンも気にしていたからね。
まあ後でべろちゅーはしてもらうけど。
それからリィンはアイナと5分くらいは抱擁を続けていた。
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