第七百三十八話 銀の薔薇その十
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「同じ生きものがいるなんてね」
「結構あるしね」
「地球で絶滅していても」
そうした生きものがというのだ。
「他の星でいるとかね」
「よくあることね」
七海が応えた。
「ニホンオオカミとかステラーカイギュウとか」
「オオウミガラスとかね」
「あるわよね」
「ティタノボアとかね」
レミはこの巨大な蛇の名前を出した。
「ブラジルを象徴する生きものの一つだけれど」
「アマゾンにいて」
「大抵お水の中にいるのよ」
そうだというのだ。あまりにも巨大である為に水中の方が動きやすいので半ば水棲になっているのだ。
「鰐みたいにね」
「それでティタノボアも」
「いる星といない星があるのよ」
「そうなのね」
「それで地球のアマゾンにいなくなった生きものも」
「他の星でいたりするのね」
「こうしたことなんてね」
それこそというのだ。
「もうね」
「ざらよね」
「そう、ざらよ」
まさにというのだ。
「似た様な自然環境だと」
「他の星にいたりするわね」
「だからドードー鳥もね」
この鳥もというのだ。
「ロシュフォール先生がペットにしてるのよ」
「地球では絶滅しても」
「そうよ、ただね」
「ただ?」
「食用のドードー鳥は品種改良されていて美味しいけれど」
それでもというのだ。
「普通のドードー鳥はね」
「美味しくないらしいわね」
彰子はすぐに答えた。
「何でも」
「野生のドードー鳥はね」
「それで地球では一は食べなかったのね」
「捕まえやすいけれど」
飛ばず太っているので動きも遅い、ここまで捕まえることが容易な鳥も珍しいというのが評価である。
「それよりも犬とか鼠にね」
「襲われて」
「見世物とか展示する為に乱獲もされて」
「地球では絶滅したのね」
「そうなの、けれど他の星にはいて」
そうしてというのだ。
「商用にもなって」
「ペットにもなってるのね」
「そうよ、星は違ってもね」
それでもというのだ。
「生態系が同じでね」
「同じ生きものがいることもね」
「あるし植物もね」
「あるわね」
「だからね」
それ故にというのだ。
「エウロパもね」
「暗黒宙域を踏破したら」
「ある星でね」
「銀の薔薇に出会えるかも知れないのね」
「ええ、ただね」
ここでレミは小声で言った。
「銀の薔薇ってエウロパにはない筈だけれど」
「あるの?」
「ひょっとして」
「何かタンザニアからこっそりとね」
銀の薔薇が発見された国からというのだ。
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