第百十七話 運動会が近付きその十一
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「二度とチートとか呼ばせないのよね」
「実際の鴎外さんのことをお話して」
「先生が言うには森鴎外さんは腐れ外道だから」
「確かに何かと酷い人よね」
「あんな人絶賛する人と巨人信者を世の中からいなくなくすることがね」
「先生の望みなの」
「そう言ってるわ、アンチ巨人でもあって」
読売ジャイアンツ、全世界にその邪悪な姿を見せているこのチームをというのだ。見る人が見ればそのユニフォームは北朝鮮軍の軍服の如き禍々しいものであろうか。
「それでね」
「そう言ってるのね」
「巨人ファンにも言うのよ」
「巨人の悪事を」
「何か湯口事件とかいうのは言わないらしいけれど」
かな恵は少し首を傾げさせて話した。
「どうもね」
「湯口事件？」
「何かあったらしいのよ」
「巨人に」
「これだけは言わないってね」
その様にというのだ。
「先生言ってるのよ」
「そうなのね」
「何でもね」
かな恵はさらに話した。
「お話する様なことじゃないって」
「そんなお話なの」
「そう言ってね」
それでというのだ。
「私達にもね」
「お話してくれないの」
「自分で調べるならいいけれど」
それは構わないというのだ。
「調べても凄く嫌な気持ちになるお話だってね」
「先生言ってるのね」
「だから知らない方がいいっていう」
「そんなお話なの」
「みたいよ、それで私何か嫌な予感がして」
それでというのだ。
「調べてないけれどね」
「巨人って色々あるからね」
一華は腕を組み口をへの字にさせて述べた。
「だからね」
「嫌な事件もあったでしょうね」
「普通に嫌な話しかないチームじゃない」
球界の盟主と言ってもだ、その歴史は邪悪と悪徳に満ちたおぞましいことこの上ないものであるのだ。
「だからね」
「そのお話もなのね」
「相当なお話なんでしょうね」
「そうなのね」
「何しろね」
一華はかな恵に憮然とした顔でこうも言った。
「江川事件なんか」
「ああ、ドラフトボイコットした」
「それで無理に獲得したけれど」
それでもというのだ。
「その時酷かったでしょ」
「一旦指名した阪神に入ってね」
「それですぐに巨人にトレードで入った」
「とんでもない事件よね」
「それで交換でね」
「小林さんが阪神にいったのよね」
かな恵はこの人の名前を出して応えた。
「小林繁さんね」
「あの人は最初巨人にいたけれど」
ドラフトで下位と言っていい順位での指名で入団した、そこから主力になったのはまだ巨人に行く勢力があったということか。
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