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夢幻水滸伝
第三百三十六話 アリゾナのカウボーイその二

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「牧場まで行きましょう、私は空を飛ぶことも出来て」
「そうしてか」
「そして必要とあれば音の数倍の速さも出せます」
「それは速いな」
「私の様な生きものの神具なら普通です」
「そうなんやな」
「はい、ですから」
 そうした神具だからだというのだ。
「この度はです」
「自分に乗ってやな」
「牧場まで行きましょう」
「ほなな」
 ホイットマンは自身の神具の言葉に頷いてだった。
 その背に乗った、すると神具はすぐに空に上がり。
 一瞬で牧場まで来た、ホイットマンは彼が大地に降り立つと思わず唸った。
「いや、ほんまな」
「速かったですか」
「まさに音の様にな」
 彼が言った通りにというのだ。
「速かったわ」
「これが神具の力です」
「そういうことやな、しかし音速で進んでも」 
 ホイットマンは神具と共に目の前の牧場を見つつ話した。
「おいら全く平気やったな」
「音速の衝撃を生身で受けられても」
「全くな」
「それが星の方です」
「身体が頑丈か」
「お強さが神霊の域に達していますので」
 だからだというのだ。
「音速の衝撃もです」
「平気か」
「左様です、ですから何かあれば」
 その時はというのだ。
「私に乗って移動して下さい」
「そうしてええか」
「是非」
「ほなそうさせてもらうな」
 ホワイトバファローに笑顔で応えた、そうしてだった。
 牧場の入り口に来て人を呼んだ、するとだった。
 彼を見たリザードマンの牧童はその瞬間に仰天して言った。
「あの、貴方何者ですか」
「いきなりそれか」
「そのレベルとステータス見ますと」
 そうすると、というのだ。
「こうも言いますよ」
「驚いてか」
「はい、レベル四十でも凄いのに」
 そうであるがというのだ。
「二百を遥かに越えているとは」
「凄いんか」
「はい、それで実際何者ですか」
「星のモンやって言うたら信じるか」
「信じるしかないです」 
 これが牧童の返事だった。
「そんなレベルとステータスと特技見たら」
「そこでわかるんか」
「僕のステータスこうですよ」 
 牧童はこう言って自分のステータスを見せた、レベルもステータスも特技もこの世界の並の者のものだった。
「四十で稀って言いましたね」
「そやな」
「モンスターでもドラゴンで普通は七十代ですよ」
「モンスターで最強やな」
「そう言われてるドラゴンでもですよ」
 普通はというのだ。
「百超えてるなんて相当なのに」
「二百を優に超えてるとか」
「それも二百四十以上とか」
 そこまではというのだ。
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