暁 〜小説投稿サイト〜
ドリトル先生と不思議な自衛官
第三幕その三

[8]前話 [2]次話
「まさに帝国海軍を代表する人だね」
「英雄と言っていいね」
「日露戦争の」
「乃木大将と並ぶね」
「それだけの英雄だね」
「あの人はイギリスに留学したことがあるんだ」
 このことからお話します。
「海軍の有望な士官としてね」
「それで海軍のことを学んだんだね」
「イギリスで」
「そうだったのね」
「国際法も学んでね」
 海軍のことに加えてというのです。
「そこでイギリス料理にも触れたよ」
「イギリスのお料理って評判悪いけれど」
「世界的に」
「まあそれでも海軍の食事はいいからね」
「士官の人達のは」
「そうだね、その中でね」
 イギリス海軍のお料理でというのです。
「ビーフシチューに触れたんだ」
「ああ、あのお料理だね」
「欧州の何処でもある気がするけれど」
「それを食べてなんだ」
「それでなんだ」
「うん、そしてね」
 そうしてというのです。
「ビーフシチューが気に入って」
「よく食べたんだ」
「イギリスで」
「そうだったのね」
「そう、そしてね」 
 そのうえでというのです。
「日本に帰ったけれど」
「その時にビーフシチューを食べたんだ」
「そうだったんだ」
「その時に」
「いや、体調を崩したか食べたくなって」
 それでというのです。
「給養、おりょくじを担当する兵隊さんに食材だけ言って作って欲しいって言ったら」
「その人が日本の調味料を使って」
「それで作ったんだ」
「そうだったの」
「それがなんだ」
 まさにというのです。
「肉じゃがだったんだ」
「へえ、そうだったんだ」
「それは意外ね」
「まさかそれで誕生したなんて」
「流石に思わなかったわ」
「僕もだよ、お話を聞いて驚いたよ」
 先生もというのです。
「食材は同じでもね」
「牛肉にじゃがいもに人参」
「それに玉葱」
「まあ肉じゃがが糸蒟蒻入れる場合もあるけれど」
「基本は同じね」
「それをおソースとかじゃなくて」 
 調味料はというのです。
「お醤油とお砂糖、味醂を使ったら」
「ああなるんだ」
「肉じゃがに」
「ビーフシチューになると思ったら」
「ああなるんだね」
「思わぬものが出て来て」
 そうなってというのです。
「東郷さんも大喜びだったんだ」
「物凄いお話だね」
「何か前にお話した気もするけれど」
「そんなお話だったんだ」
「肉じゃがは」
「そうだね、日本人は色々面白いものを生み出す人達で」
 それでというのです。
[8]前話 [2]次話


※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりをはさむしおりを挿む
しおりを解除しおりを解除

[7]小説案内ページ

[0]目次に戻る

TOPに戻る


暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ

2024 肥前のポチ