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オズのヘンリーおじさん
第三幕その一

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                第三幕  お二人のお家で
 一行はヘンリーおじさんとエマおばさんが住んでいる村に着きました、村は緑のアメリカのお家が立ち並ぶエメラルドの都によくある村です。
 緑の服を着た人達が幸せそうに農業そしてそれぞれのお仕事に勤しんでいます、携帯電話を使っている人もいて自動車も走っています。
 そんな村の中に入ってです、トロットは言いました。
「別にね」
「昔なところはないわね」
 ベッツイも言います。
「この村には」
「今のオズの国の村ね」
「アメリカ風のね」
「わし等が外の世界にいた頃よりずっと進歩しているよ」
 キャプテンは唸って言いました。
「あの頃は自動車なんて物凄く少なくてね」
「携帯電話なんてなかったしね」
 ハンクも言います。
「今お空にジェット機が飛んでるけれど」
「飛行機はまだ複葉機で」
「全然ね」
「今とは違っていたよ」
「そうだったね」
「だからおじさんとおばさんもだよ」
 トトは村の子供達が遊びながらアニメのお話をしているのを聞きながら言いました、今もドロシーの足下をとことこと歩いています。
「パソコンや携帯電話を持っていてね」
「使っているのね」
「お家にはテレビもあってね」
 トトは横を歩いているエリカに言いました。
「それでだよ」
「そうした暮らしなのね」
「今はね」
 そうだというのです。
「だからお仕事もトラクターとか使って」
「今の農具を使っているのね」
「機械のね」
「物凄く便利になったって言ってるわ」
 ドロシーも言います。
「カンサスにいた頃と比べると」
「オズの国は魔法も公にあってね」
 オズマが応えます。
「科学と一緒に使われているし」
「独特の技術があるわね」
「そこに今は錬金術や仙術も入ってね」
「かなりのものになっているわね」
「そしてね」 
 オズマはドロシーにさらに言いました、自分達の横の緑の木に止まっているリョコウバト達を観ながら。
「アメリカの影響も受けるから」
「外の世界の技術にオズの国の技術が合わさって」
「素晴らしいものになってるわ」
「ヘンリーさんとエマさんもよね」
「その中で暮らしているわ」
「だからカンサスにいた頃とはまた違うわね」
「そうした生活だけれど」
 それでもというのです。
「それでもね」
「お二人は質素だから」
「昔ながらの生活をね」
 今もというのだ。
「送っているわ」
「そうなのね」
「カンサスにいた頃の食生活はね」
 ドロシーとトトを含めてです。
「本当にね」
「質素で」
「あるものをで」
「お二人は今もなのね」
「ピューリタン的?」 
 ドロシーは考えるお顔で言いました。
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