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MSV-蒼空の英霊-
北の国から(2)
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U.C.0079.12.9 アラスカ

 地球連邦軍北極基地にほど近い雪原を必死にかつ慎重に走る1機のザクTスナイパー。かれはギガント隊の隊長であるが、機体トラブルのため遅れていた。

「隊長さんよ、もう戦闘始まってるぜ?」

 上空を飛ぶルッグンから通信が入る。

「なにぃ、くそっもう始まったのか。」

 さらに走らせるがいかんせん寒冷地装備を無理やりした装備したものなのでザクU寒冷地仕様ほど速く走れないのが現実である。故に早く走らせれば転んでしまうし、滑落の恐れが大きくなる。

「お、爆発が見えるな。派手にやってるねぇ。」
「おいおい、俺の分残しておいてくれよ。」

 しかしこのままの速度で走れば目標地点に着くころには戦闘は終わっているだろう。

「ああもう、もっと早く走りやがれ。」

 ぶつぶつ文句を言いながらも自らの愛機を労りながら使いこなすのがベテランである。
 まもなく目標地点である谷に到着した。そこは先行した僚機が隠れていたところである。

「これは絶景かな絶景かな。・・・あれか。」

 視線を下せば基地の外で戦闘しているのが見えた。
 しかし援護しようと射撃体勢に入る前にGMをスクラップにしてしまった。

「出番なしかよ。およ?」

 連邦の物量は底知れないらしくまだ2機のGMが出てくる。

「さ、お仕事お仕事。」

 いざ狙撃、とザクTスナイパーに射撃体勢をとらせスコープにGMを1機収めた時、画面を光が横ぎった。

「狙撃!?ルッグン、どこから撃ってきた。」
「右だ。基地の北側、倉庫の影からだ。」
「OK、まずはそっちだな。」

 腰をひねりビームの出所を収める。すでにGMスナイパーUは第2射の用意している。
 
「くそっ。」

 すかさずノーロックで狙撃。彼ほどの腕だとロックオンのレーザー照射も必要ない。
 銃口から光が迸り狙い違わずGMスナイパーUのコックピットに吸い込まれる。

「よし、次。」

 すかさず部下のザクUに近づくGMを2機とも狙撃。爆散した。
 そして名言を一言。

「待たせたな。」
『隊長ーーー!』
『ご無事でしたか。』
「まあな、俺が来るまでよく持たせたな。よくやった、帰投しよう。」
『はい。』

 通信を切ったとき基地の反対側から爆発が見えた。超望遠で見ると格納庫の影にハイゴッグが見えた。

「ハーディめ、やりやがったな。」

 2機の白いザクUがザクTスナイパーの両脇を固める。

「後は彼らに任せますか。」
「そうだな。我々がいても仕方がない。帰投しよう。」
「はい。隊長。」

 ギガント隊の陽動によりサイクロプス隊の北極基地襲撃は成功したがアンディ・ストロース少尉が戦死、HLVの
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