第一章
[2]次話
ナースの普段着
黒田愛奈の職業は看護士である、勤めている八条総合病院新潟病院の制服はライトブルーのナース服にズボンである。
黒く長い髪の毛をいつも後ろで束ねていて切れ長の長い睫毛の目に細い流麗な眉と艶やかな紅の唇を持っている。顔は小さい五角形で一六三位の背でスタイルはかなりいい。
そんな彼女を見てだ、年老いた入院患者の老婆が言ってきた。
「いつも奇麗だね、黒田さんは」
「有り難うございます」
愛奈は老婆に優しい笑顔で応えた。
「そう言ってもらうと励みになります」
「それは何よりだよ、そういえば黒田さん結婚してるね」
「はい、子供はまだですが」
愛奈は老婆に今度はこう答えた。
「そうです」
「そうだね、それで普段はどんな服着てるんだい?」
「服ですか」
「いつもナース服だけれどね」
「勤務中ですから」
病院の中ではとだ、愛奈は正直な声で答えた。
「病院の中ではです」
「ナース服なんだね」
「はい」
そうだというのだ。
「この服です」
「じゃあお仕事の時以外は」
「私服です」
「そうなんだね」
「主人と一緒の時は派手なんですよ)
愛奈は笑って話した。
「主人の好みで」
「へえ、そうなんだね」
「そうなんですよ」
「そうは見えないけれどね」
「主人が好きですから」
老婆ににこりと笑って話した、そしてだった。
この日仕事が終わって家に帰ると病院の取引先の会社の営業の社員である夫の康二郎、眼鏡をけていて小さい目で歯並びのいい黒髪を奇麗にセットした一七一位の背の痩せた彼にだ、まずお茶を出してもらってだった。
そのことに感謝して着替えた、部屋着に着替えたが。
「いつもながら露出多いわね」
「それがいいんだよ」
夫はデニムの半ズボンに半袖の白いティーシャツ姿の妻に笑顔で応えた。
「いやらしくてね」
「自分の奥さんにこんな格好させるなんて」
「自分の奥さんだからだよ」
それ故にというのだ。
「それでだよ」
「奥さんだけっていうのね」
「いや、半ズボンから足が丸出しで」
完全に素足であった。
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