第二章
[8]前話
「そうなります」
「そうなるよな」
「はい、ですが」
赤田はそれでもと青木にうどんを食べつつ話した、彼はきつねうどんで青木は若布うどんである。それぞれお握りもある。
「俺もそうなったら嬉しいですが」
「それでもか」
「やっぱりあれですよ」
笑顔で言うのだった。
「描けたら」
「それでか」
「いいですよ」
「それで投稿してか」
「読んでもらえたら。昔は」
かつてはというのだ。
「描くことは出来ても雑誌に載らないと」
「読んでもらえなかったな」
「それで雑誌って限られますね」
「ああ」
青木もそれはと答えた。
「やっぱりな」
「それだとです」
「幾ら描いても読んでもらうにはな」
「雑誌に載らないとでした、ですが」
それがというのだ。
「今はそうしたサイトあるんで」
「そっちで作品出せるからか」
「いいですよ、いい時代になりましたよ」
「プロになりたくないのかよ」
青木は赤田に尋ねた。
「雑誌に載ってな」
「なりたいですよ」
赤田はその考えを否定しなかった、きっぱりと答えた。
「やっぱり、ですがまずは」
「漫画描きたいんだな」
「はい、それにサイトに載っていても」
「プロになれるんだな」
「今は」
そうした時代だというのだ。
「ですから」
「サイトにか」
「これからも投稿していきます」
「そうするんだな」
「はい」
まさにというのだ。
「そうしていきます」
「そうなんだな」
「単行本も出ますし」
「サイトにあってもか」
「人気が出たら」
「そうなるからか」
「今は投稿していきます」
サイトに自分の作品をというのだ。
「それだけでも嬉しいですし」
「雑誌に載らなくてもいいか」
「まずは漫画を描けることですよ」
何と言ってもというのだ。
「本当に」
「そうか、じゃあな」
青木は赤田の話をここまで聞いてだった、うどんをすすりつつ彼に言った。
「頑張れよ」
「はい、漫画描いていきますよ」
「仕事も頑張ってるしな」
本職のそれもというのだ。
「それじゃあな」
「漫画も頑張っていきます」
「そうしろよ」
赤田に笑顔で言った、そして後日彼の漫画を読んだがそれはホラー漫画だった。そうした漫画が苦手な彼は少し読んだだけでページを閉じたが後日彼の漫画が人気だと聞いて笑顔になったのだった。そして共に工事現場で働き続けた。
漫画を描ける喜び 完
2024・2・17
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