第1章 守らなければならないものがある
3話「ポーラン」
[3/3]
[8]前話 [9]前 最初 [2]次話
き続けるために魔力の供給が欠かせないのだ。今はポーランが魔力を絶えず供給してくれているため、私は生きていられる。
ああ、私の興味が彼の容姿に向かない理由を一つ思いついた。自分の中で"とにかく優しい人間"という印象が強いあまりに、容姿はなんでもいいと思い込んでいるのかもしれない。
目つきのせいで怖そうな印象が強いから、そのことに気付いている人間が少ないのがちょっとだけ不憫だ。
「それで? 一応逃げるつもりとかは一切なく、部屋に戻ろうとしているんですけど。何かありました?」
反射的に距離をとってしまったので、話しながら歩いてまた元の位置まで戻る。
「マキがさ、"治癒魔法"の練習をしろって」
「治癒魔法……」
「お疲れのところわりいけど、Uターンだ。行くぞー」
肩を掴まれ、くるんと半回転。そのまま背中を押され、歩き出す。
別に疲れてはいない。全速力で駆け抜けた道を、三分の二くらいの地点まで歩いて戻ってきて、またそこから引き返すことになるが、別にそれも苦だとは思わない。
……それでも少し足取りが重くなるのは。
[8]前話 [9]前 最初 [2]次話
※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりを挿む
[7]小説案内ページ
[0]目次に戻る
TOPに戻る
暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ
2024 肥前のポチ