暁 〜小説投稿サイト〜
魔法絶唱シンフォギア・ウィザード 〜歌と魔法が起こす奇跡〜
AXZ編
第192話:装者 vs ワイズマン
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なっているにも拘らず、ワイズマンが放つ蹴りを押し返せない事にマリアの口から苦悶の声が上がる。砲身は焼け付きそうなほど熱くなり、その熱がマリアの体も苛む。

 どれ程攻撃をぶつけ合っていただろう。結局両者の攻撃に決着がつく事はなく、マリアが力尽き砲撃が止んだ時、そこには傷一つない姿で佇むワイズマンの姿があった。

「ぐ、は……はぁ、はぁ……」
「マリアッ!」
「マリアしっかり!?」
「嘘だろ、これでも勝てないのか!?」
「マジもんの化け物デスッ!?」

 自身の砲撃の威力を受け止めるのに体力を大幅に持っていかれたマリアがその場に膝をついた事に、仲間の装者達が彼女を心配して駆け寄る。
 その光景を空中に佇むワイズマンが見下ろしている。微塵も疲労した様子を見せず、余裕さすら感じさせる姿で。

「フフフッ……」

 仮面の奥で口元に笑みを湛えながら、ワイズマンは楽しそうに戦場を見渡した。

 サンジェルマン達はまだ完全に態勢を立て直せてはおらず、ワイズマンから受けた傷を癒している。

 輝彦達3人の魔法使いは、メデューサを始めとしたメイジの相手で手一杯。

 装者5人は言わずもがな。

 残るは颯人と彼を助ける為に向かった奏と響のみ。そちらでは、今正に奏に襲い掛かろうとしているレギオンファントムと暴走気味の颯人、そして奏と響のコンビによる変則的な三つ巴に近い戦いが繰り広げられている最中であった。
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